東京オリンピックで金メダルを獲得したトランポリンの中国代表・朱雪瑩選手(23)の「金メダルの表面が剥がれてしまった」と、中国のデジタルスポーツメディア「新浪体育(Sina Sports)」が2021年8月24日に報じ、中国で大問題になっている。

金メダルに色の異なる部分があり、汚れだと思い拭いたが取れなかったため、指で擦ったらポロポロ剥げた、というのだ。

金メダルは電子廃酸物を使用と「安物」をアピール

朱雪瑩選手は8月23日、中国版ツイッターの「WEIBO(ウェイボー)」に動画と写真を投稿し、

「あなたのメダル…あなたもまた表面を剥がすことができますか?」

と他のメダリスト達に問いかけた。メダルの上部にシミのようなものがあり、それを朱雪瑩選手が指で擦るとシミが大きくなるように見えた。「新浪体育」は24日、

「朱雪瑩が優勝して獲得した東京オリンピックの金メダルは、『肌を失った』」

と書いた。金メダルは純金で作られたこともあったが、現在の金メダルは6グラムの金と92.5%の銀でできていて、今回剥げた部分は重要な金の部分。しかも、東京五輪の金メダルは直径が大きいため金の層は薄い。さらに、その金は日本でリサイクルされた都市の電子廃棄物だと「安物感」をアピール。そして、今回剥げたのは金ではなくコーティングの膜という情報もあり、

「コーティングが失われると、中の金メダルもすぐに酸化します」

とした。SNSでは「これが日本の『職人精神』?」「交換してもらうべき」「義烏小商品(日用雑貨卸し売り市場)より質が悪い」といったことが叫ばれている、と書いている。

しかし、こんなに簡単に、日本で作った金メダルが剥げるものなのか?

「擦ったぐらいで剥がれるとは到底思えません」

NNJニュースが、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に8月26日に取材したところ、今回剥がれているのは金メッキではなく、小さい傷やへこみ、また汚れやシミ等がつくことを防止する目的で、保護用としてメダル表面に塗布している塗膜、と説明、
「この塗膜はその素材の性質上、永続的にメダル表面に付着するということは想定しておりませんが、これが剝がれることでメダル自体に影響は及ぼすものではありません」

と回答した。ここで気になるのが「永続的」という文字。つまり、そう簡単にはコーティングは剥げない、とも読める。

NNJニュースは8月27日、金属などの表面処理専業会社に話を聞いてみた。担当者はあくまで話す内容はコーティング技術における一般的なことだと前置きし、金メダルの表面加工は日本古来の「梨地仕上げ」というものだろう、とした。金属の表面の質感や見た目をよくするほか、滑り止めにもなる。光沢の度合いも選べ、半光沢、無光沢もある。強度としては、

「指や爪で擦ったぐらいで剥がれるとは到底思えません」

という。剥がれる原因としてはまず経年劣化、そして初期不良。しかし、この2つとも違うのではないか、と担当者は話した。ではどんな時に剥がれるのか。担当者は、

「強い衝撃、刺激、研磨で起こるのではないでしょうか」

と話していた。

 

(リンク)

「新浪体育(Sina Sports)」

https://sports.sina.com.cn/

 

朱雪瑩選手のWEIBO

https://weibo.com/p/100808c3dd72f3c4ea

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