DHCテレビ「虎ノ門ニュース」の後継番組として始まった「闇鍋ジャーナル(仮)」。9月29日にジャーナリストの須田慎一郎さん(62)、嘉悦大学の高橋洋一教授(68)、長谷川幸洋さん(70)が離脱を表明した。須田さんは番組立ち上げ人。けじめとして離脱を報告するのは当たり前として、「闇鍋」の色が付いていない高橋教授、長谷川さんがなぜわざわざ「卒業」を公表しなければならなかったのか。
10月2日配信の「闇鍋」で理由が分かった。新体制が発表され、スポンサー権パートナー会社が信和ホールディングス(HD)株式会社（本社：大阪市、前田裕幸社長）だったのだ。傘下の建設・不動産業「信和建設」は2017年11月、法人税法違反で大阪国税局から告発を受けた。その時の社長が前田裕幸氏(56)。有罪判決を受けた。その脱税のやり方のエグさ、ネットで大いに話題になった人物だ。
所得を隠す巧妙な工作手口
産経新聞などの報道によれば17年11月、大阪国税局が法人税法違反の罪で「信和建設」と当時の前田社長を告発した。同社は15年12月末までの２年間、法人所得約２億３千万円を隠し、法人税約5900万円を脱税した。そのエグい手口はこうだ。複数の個人らに架空の取引先を設定させ、マンション工事などの外注請求書の発行を依頼。信和建設はその口座に請求額を入金。その後集金し大部分を手渡しでキックバックした。キックバックした金は自宅の金庫などに蓄え、口座に証拠が残らないようにした。これを主導していたのが前田社長。
「会社の事業資金に充てる目的で現金で留保していた」
と警察に語った。
2018年3月15日、大阪地裁は「所得を隠す工作は巧妙な手口で悪質」とし、前田社長に懲役１年、執行猶予３年（求刑懲役１年）、信和建設に罰金1200万円（同罰金1700万円）を言い渡した。昨年6月は信和建設の元従業員がマンションの管理組合財産を着服。90日間の業務停止処分を受けている。曰く付きの会社だ。
DHCTVの退職金「溶けてしまった」
「闇鍋」のスポンサー権パートナー企業となる信和HDは、土木、建築、飲食、ホテル、介護などグループ企業を傘下に持つ経営コンサルティング会社。山田元社長は2日配信の「闇鍋」で、今後世話になるスポンサー権パートナー会社だと紹介。前田社長は旧「虎ノ門ニュース」からのファン。後継番組である「闇鍋」を応援したいと手をあげた。山田元社長は「本当にいいんですか？」と頭を下げてお願いした。月曜日だけの配信で始まった「闇鍋」。今年9月から月～金配信に拡大。山田元社長はDHCテレビの退職金を番組制作に注いできたと語った。しかし「それも溶けてしまった」と打ち明けた。つまり、藁にもすがる思いで信和HDの前田社長の提案を受け入れた、ということだ。
山田元社長もゲストも雇われているのと同じ
「信和HDは番組内容に関して一切口を出しません」と山田元社長。ところがこの新体制、木曜日と金曜日の配信スタジオは大阪・信和HD本社会議室を使う。番組内で信和HDのTVCMを流す。ということは事実上、木金は信和HDが配信する番組になる。スポンサーは口を出さないとは言うが、山田元社長もゲストも信和HDに雇われているのと同じ。山田元社長は、
「須田さんとは殴り合いの喧嘩になりました」
と冗談で語った。しかし須田さんが猛反対したのは間違いない。高橋教授、長谷川さんも立場上、同番組に出演することはできない。さらに、関わっていると思われたくないからあえて「卒業」と自ら公表したと言える。
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（リンク）
闇鍋ジャーナル(仮)「信和HPとパートナーになったことを報告」
https://www.youtube.com/watch?v=6U3tUL46fsc
産経新聞「信和建設前社長 法人税5900万円脱税で有罪判決 大阪地裁」
https://www.sankei.com/article/20180316-QRFJD4U5RJNRPHGKE4NYGWBYEY/
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