北京五輪スキージャンプの新種目混合団体で、スーツ規定違反により失格となった高梨沙羅選手(25)。2022年2月8日深夜にインスタグラムを更新し真っ黒な画像と共に謝罪文を掲載した。

今回失格となったのは4カ国の5人。各国の関係者は検査方法がおかしいと国際スキー連盟(FIS)に対し猛抗議の報道があるなか、日本は高梨選手一人に責任を押し付けている、と批判が出ることになった。矛先は1998年長野五輪スキージャンプ男子団体金メダリストで総監督の原田雅彦さん(53)に向けられ、「原田何やってんの?高梨守れよ!」との怒りが噴出している。

それ程大変なことをしてしまった

高梨選手の謝罪文全文はこうなっている。

「日本チームを応援して下さっている全ての皆様
今回、私の男女混合団体戦での失格で日本チーム皆んなのメダルのチャンスを奪ってしまったこと、そして、今までチームを応援してくださった皆様、そこに携わり支えて下さった皆様を深く失望させる結果となってしまった事、誠に申し訳ありませんでした。私の失格のせいで皆んなの人生を変えてしまったことは変わりようのない事実です。謝ってもメダルは返ってくることはなく責任が取れるとも思っておりませんが今後の私の競技に関しては考える必要があります。それ程大変なことをしてしまった事深く反省しております。そして、私のせいでメダルを取れなかったにも関わらず、最後の最後まで支え続けてくれた有希さん、幸椰さん、陵侑、そして日本チームのメンバーの皆さま、スタッフの皆さまには感謝してもしてきません。こんな私を受け入れてくれて本当にありがとうございました。この度は本当に申し訳ありませんでした。
高梨沙羅

私が言える立場ではない事は重々承知の上で言わせていただけるなら、どうかスキージャンプとゆう素晴らしい競技が混乱ではなく選手やチーム同士が純粋に喜び合える場であってほしいと心から願います。」

団体種目のため各国の「戦略」がある

かなり追い詰められている感じの長文。これを読んだ人たちから高梨選手に対し、「謝罪の必要はない」という多くの反応と、応援のメッセージばかりが目に付く。というのも、ジャンプ競技そのものは個人競技ではあるが、今回は各国の「戦略」が前提にある団体種目。人選はもちろんだが気象条件に合わせた様々な対応が必要で、スーツに関しては規定ギリギリを攻める。今回の日本は、筋力トレーニングで筋肉が張った状態にしてからスーツを着た。高梨選手の失格はスーツの太もも周りが規定よりも2センチ大きかったこと。空気の乾燥と寒さで筋肉が小さくなってしまったのでは、と見られている。これは高梨選手個人のミスではない。

「原田しっかりしろよ、責任者だろ」

今回失格選手を出したのは10カ国中の4カ国で日本の以外ではオーストリア、ドイツ、ノルウェーといった強豪国だ。各国ともに激怒し、検査方法がおかしい、セクハラがあったと猛抗議の報道が相次いだ。国の「戦略」が否定されたわけだから抗議が起こるのは当然で、それが失格選手を守ることにも繋がる。しかし、日本の関係者から抗議が出たとの情報はない。このことが高梨選手一人に責任を負わせ、追い詰めることになった、と感じる人が多く出た。高梨選手の謝罪文に胸を痛め、批判は何も動こうとしない原田総監督に向けられることとなった。せめて釈明のコメントくらいは出すべきだとし、

「原田が抗議しないから高梨が一人で謝罪してんじゃんか!」

「監督の原田が釈明会見しろ 選手を矢面に立たせるな その辛さを一番知ってるのは原田だろ 原田が選手を守ってやれ」

「原田何やってんの?そんなんだから、いっつも日本は舐められるんだよ!」

「狙い撃ちのようにメダル候補に絞ったのは何故だ?原田しっかりしろよ、責任者だろ」

といったことが掲示板に書き込まれた。

 

(リンク)

高梨沙羅選手のInstagram「「日本チームを応援して下さっている全ての皆様」

https://www.instagram.com/p/CZt8gRQvH_I/