「不二家の『ミルキー』に『パパのミルク味』も販売してほしい!!!」そうした署名活動が2020年12月29日に「Change.org」で始まった。

先に報じたファミマの「お母さん食堂」の名前を変えてほしい、に対する皮肉、意趣返しのようなものだ。当然ながら「お母さん食堂」と同じようにこの訴えには批判が殺到し「大炎上」、提案者は「謝罪」することになった。しかし、今でも「パパのミルク味」署名ページは存在し、この提案者はツイッターでフェミニスト(フェミ)への攻撃を続けている。

きっかけはファミマの「お母さん食堂」ジェンダー問題

この署名活動が起こった原因はNNJニュースも報じた「ファミマ『お母さん食堂』は男女差別だ名前変えろ!!女子高生の訴えに『慎吾ママ(香取慎吾)は男性』(12月26日付)の「ジェンダー」問題。3人の女子高生が「お母さん=料理・家事」と見えるこの名前は、すべての人に対し、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)を深刻にする原因にもなるから、名前を変えてほしいと訴えた。ただしあまりにもトンチンカンな訴えであり、ここでいう「お母さん」のイメージキャラは慎吾ママ(香取慎吾さん)という男性だ、などと批判が起きて、

「子供に誰がこんなことを吹き込んだ?」

「ファミマに迷惑がかかるとは露程も思わないのか…碌な大人にならないだろこいつ」

などと「炎上」した。

「授乳するのは『ママ』だけですか?」

今回余命活動を始めたのはネット論客者の「青識亜論」さん。不二家のキャンディブランド「ミルキー」は、「ミルキーはママの味」のキャッチフレーズで知られる。それに「パパのミルク味」も加えてほしいと訴えた。

「授乳するのは『ママ』だけですか?」

とし、男性も子育てで赤ちゃんにミルクを作り飲ませているし、男親だけの家庭もある。2017年4月には大阪市で「男性カップル」が日本で初めて里親として認定された。これからはLGBTの里親が増加することが予想される。

「授乳=母親(女性)の仕事でなければならない、赤ちゃんは『ママのミルク』で育たなければならないというイメージや価値観を変え、すべての人が子育てに自信を持てる社会を実現する」

そのためには不二家は「パパのミルク味」も販売するべきだ、とした。

 

フェミと認識されている政治家などに「直接」の訴えも

 

ところが訴えを起こしたとたんに激しい批判が起こって「大炎上」する。理由は先の女子高生と同じ理由で「わけが分からない」「不二家に迷惑をかけるな!」というもの。女子高生達と異なるのは、フェミ(フェミニスト)だとネットで認識されている議員や有名人に対し「直接」ツイッターで署名を呼び掛けていることである。

これに対し、

「セクハラ被害を公表している女性市議に『これに署名してください!』と迫るというのは一線を越えた嫌がらせだよな」

「無関係な不二家さんを棍棒にしてツイフェミを殴りたいだけやん」

「フェミニスト憎悪のあまり、悪意で対抗にもなってない下品なネタを作って、無関係の人達を巻き込む非常識行為」

「『あなたが叩いていたフェミと同じ事をしてますよ』と苦言されてる位だからガチで呆れられてる」

などといった批判が出て、「青識亜論」さんは特に不二家への迷惑行為になることを恐れたようで、

「ご懸念点はごもっともなので、署名についてはしばらくのちに削除します。ご心配をおかけしてすみません」

とツイッターで謝罪した。

 

署名運動が「迷惑」「加害」「攻撃」はフェミの主張?

 

その署名ページだが、12月30日午後5時現在も存在する。署名者は120人を超えた。「青識亜論」さんは現在もツイッターで、

「社会的意義ってなんですかって話なんですよ。『お母さん食堂』の名前を署名の圧力で消す・排除することにいかなる社会的意義があるのか(そしてそれは「ママの味」よりもなぜ著しく意義が大きいのか)を合理的に説明できますか、と」

「署名運動が『迷惑行為』で『加害』で『攻撃』であるというフェミニストさんのご主張が蓄積されていますが、それでいくと『碧志摩メグ』から始まり、岡村氏に『反省する番組を作れ』と申し立てた署名や、今回のファミマ署名に至るまで、全部迷惑行為で加害で攻撃であることになりますが、いいんですかね」

などとフェミに対しての反論を続けている。

 

(リンク)

不二家の「ミルキー」紹介ページ

https://www.fujiya-peko.co.jp/sweets/candy/milky.html

「Change.org」

https://www.change.org/