イスラム思想研究者の飯山陽さん(46)が産経新聞に寄稿した「重信房子氏出所 メディアの奇妙な高揚」が話題になっている。国際テロ組織「日本赤軍」の最高指導者だった重信氏。懲役20年の刑期を終え2022年5月28日に出所した。複数のメディアに「奇妙な期待や興奮が滲み出てる」という。中には、重信氏を美化するようなものもある。飯山さんは無差別テロを正当化するイデオロギーを再び蔓延らせてはならない、と訴えた。 

全ての人たちに対する愛と献身の人 

 飯山さんは5月29日付けの寄稿でまず、「日本赤軍」は世界革命によって既存秩序を転覆し共産主義者会の実現を目指す国際テロ組織、とした。今もメンバー7人が国際手配されていて警視庁は「事件はまだ終わっていない」としている。数多くの国際テロを起こし、1972年にはイスラエルのロッド空港で100人の死傷者を出した。彼らが殺害した26人のうち17人は巡礼に訪れていたプエリトリコ人だった。それなのに共同通信、毎日新聞はテロとは呼ばず「武装闘争」と報じている。 

毎日新聞は3月7日の朝刊で、重信氏について「熱く変革をねがう精神に私はある凛冽さすら感じる」との歌人・加藤英彦氏のコメントを掲載。5月14日の共同通信は「彼女の社会復帰を望む支援者もいる」とした。左翼系の英字誌「The Funambulist」41号では、「国際連帯の模範」と評し、娘でジャーナリストのメイ氏(49)が語った、「左翼の反植民地主義、反帝国主義の思想的背景を強く持つ熱烈な政治活動家」「全ての人、特に虐げられている人たちに対する愛と献身の人」が掲載された。 

無差別テロの正当化はあってはならない 

 飯山さんはこうしたメディアの「奇妙な高揚」を心配する。革命や闘争という言葉には甘美な響きがあり、かつてそんな夢を描いた人々や、正義感に燃え今の社会を変えようというナイーブな若者にとって、 

「重信氏の出所は『行動』を惹起するものとなりかねない」(注:惹起とは事件、問題などを引き起こすこと) 

独善的論理で無差別テロを正当化するイデオロギーを、この日本で再び蔓延らせることはあってはならない、と飯山さんは結んでいる。 

 

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(リンク) 

「重信房子氏の出所に興奮…メディアの奇妙さ 飯山陽」(産経新聞WEB版は有料記事) 

https://www.sankei.com/article/20220528-

Z55A6INQO5J5FEHKMK53AK2EQY/ 

飯山陽さんのTwitter 

https://twitter.com/IiyamaAkari/statu

s/1530357913348214784