TBSの情報番組「噂の!東京マガジン」が2021年4月4日からBS―TBSに移行すると2月14日に発表された。出演者も番組のコーナーもそのまま。現在のTBSとJNN系列9局放送のみが、BS移行で「放送地域が全国に拡大」するという。

この番組は日曜日午後1時からの放送枠としてはトップの8%台の視聴率を上げていたが、昨年11月頃から「打ち切り終了」だとずっと叩かれ続け、時代に遅れたテレビ番組の象徴として取り上げられた。そんな記事を書いたメディアは今何を思うのだろうか。

 

変わるのは地上波9局のみが「全国放送」になる

 

発表によれば、1989年10月1日にスタートし31年以上放送してきた同番組が、4月4日からBS―TBSに移行する。放送時間帯も、「噂の現場」「やって!TRY」といったコーナーも、レギュラー陣も変わらない。変わるのは地上波が9局のみだったが、それが「全国放送」になる。出演は司会の森本毅郎さん(81)アシスタントの小島奈津子さん(52)、井崎脩五郎さん(73)が毎週で、清水国明さん(70)、山口良一さん(65)、笑福亭笑瓶さん(64)、風見しんごさん(58)、深沢邦之さん(54)が週替わりになる、というのも現状とさして変わらない。

 

メディアは昨年の11月頃から「打ち切り終了」だとしてずっと叩き続けてきた。ところが同番組はTBSの「日曜日のお昼の顔」であり、放送枠の視聴率は8%台とトップを維持してきた。しかも31年以上の長寿番組であり、それを「打ち切り終了」とアナウンスするのは相応しくなかった。

 

現在も「『噂の!東京マガジン』地上波終了」の見出し

 

打ち切り理由については、

「長寿番組は時代の空気感と番組内容が合わなくなることは避けらない。番組の顔となる司会者やレギュラー出演者の高齢化は、世論とズレが生じてくるという点でも大きい問題となる」(「女子SPA!」2月2日配信)

「レギュラー陣の高齢化が挙げられていること。それなりの報酬が必要であり、しかも他番組と比べても明らかに人数が多い。コロナ禍で広告収入が激減する中、ベテランのリストラが最も手っ取り早い対処方法」(「週刊女性PRIME」20年12月20日配信)

などの分析がされていた。この2つの媒体だけでなくスポーツ紙や雑誌もこうした論調だった。

こうした「打ち切り終了」だと騒いだメディアはBS―TBSに移行するということが分かっても素直に見出しを付けていない。TBSに近い毎日新聞だからこうした見出し、

「TBS『噂の!東京マガジン』4月からBSで全国放送に」(毎日新聞電子版、14日)

になるのだが、他は、

「『噂の!東京マガジン』31年半の『地上波放送』に幕」

「TBS『噂の!東京マガジン』31年半の地上波放送に幕」

「『噂の!東京マガジン』地上波終了で4月からBS-TBSへ引っ越し」

などとまるで終了するかのような文章を前に持って来ているものが多い。

(リンク)

TBS「噂の東京マガジン」公式HP

https://www.tbs.co.jp/uwasa/