「カンロ飴」や「金のミルク」などで知られるキャンディーメーカーのカンロ(本社:東京都新宿区)は、飴に柿渋(柿タンニン)を一定条件で含有させることで新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を不活化することが分かったとの実験結果を公表した。

これは奈良県立医科大学の研究グループが2020 年 9 月に発表したことを受け、同社が取り組んだもの。

 

柿渋は古くから防腐作用があるとされる

 

奈良県立医科大学は柿から抽出した高純度の「柿渋(柿タンニン)」により新型コロナウイルスが不活化することを発表。一般社団法人MBTコンソーシアムが製品化に向けた協力企業を公募していて、それにカンロが参加した。柿渋は赤褐色の柿タンニンを多量に含む石井物産(奈良県五條市)製の高純度柿渋を使用。柿渋は古くから防腐作用があるとされ、塗料や染料に使用されてきた。

実験は一定条件で柿渋を配合した「柿渋含有飴」を10分舐めた時点で、唾液に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)溶液を9:1の割合で混合。室温20〜25℃で10分間静置した。その結果、ウイルス感染価は1.25 x 10^5 PFU/ml(柿渋不含飴)から<1.0 x 10^2 PFU/ml(減少率>99.920%)と検出限界まで感染価が減少した、としている。発表は2021年2月25日。

 

(リンク)

カンロ「奈良県立医科大学との共同研究を実施 “柿渋”配合の飴による新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活化※を実証」

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000154.000041274.html