米紙ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)電子版は2021年4月12日、今年7月に開催予定の東京オリンピックについて、「3週間のsuperspreader(スーパー・スプレッダー)イベントになってしまう可能性がある」とのコラムを掲載した。これは新型コロナウィルスによる想像を超える規模の二次感染が起こり、日本を飲み込み世界に広がる、ということを指す。

 

日本を遠く超え新型コロナウィルスによる死や病気をもたらす

 

コラムを書いたのは同紙スポーツ担当のKurt Streeter(カートストリーター)氏。タイトルは「It’s Time to Rethink the Olympics (オリンピックを再考する時が来ました)」

コラムはオリンピックが抱える様々な問題「開催費用が莫大になっている」「それによる環境破壊」「企業や組織の利益追求」「開催地国の人権問題」「アスリートのドーピング、賄賂、身体的虐待」などがあり、従来のままの開催でいいのか、と問いかけた。そして冒頭に持って来たのが東京オリンピック開催による新型コロナウィルス感染問題だ。

 

日本は新型コロナの駆除に一生懸命取り組んだものの感染者は増えていて、予防接種率が遅れている。大阪は医療システムの崩壊の危機に瀕している。この環境下に世界中から1万1000人のアスリートが集まる。

「東京オリンピックは3週間のスーパー・スプレッダーイベントになってしまう可能性がある。日本全体と日本を遠く超え新型コロナウィルスによる死や病気をもたらす」

そして、最近の調査では日本人の80%近くがオリンピックを再度延期するかキャンセルする必要があると述た、とした。

このコラムには13日午後3時の段階で200を超えるコメントが付いている。

 

「東京の主催者はやってのけると思います」

 

「間違いなく東京オリンピックをキャンセルします。日本ではCovidの症例が増加し、世界中で危険な亜種が増加しているため、これを進めることは完全に無責任で危険です」

「バイデン大統領は今週金曜日にワシントンDCで日本の菅首相に会う予定であり、オリンピックをキャンセルするよう説得できることを本当に望んでいます」

「IOCと東京オリンピック委員会は失敗、計画の欠如、不十分な実行、そして何よりも経済と国家主義的利益のひたむきな追求により、オリンピックブランドに取り返しのつかない損害を与えました」

また、

「東京オリンピックは質素な展開になるかもしれませんが、オリンピックがなければ世界は悪化するでしょう」

「東京の主催者はやってのけることができると思います。より多くの人々が7月までに予防接種を受けるでしょう。オーストラリアはほとんど問題なく全豪オープンを主催し、プロスポーツリーグはさほど問題なく運営されているようです」

といったことが書き込まれている。

 

(リンク)

The New York Times「「It’s Time to Rethink the Olympics」

https://www.nytimes.com/2021/04/12/sports/olympics/olympic-games-boycott-tokyo-beijing.html