「氷の皇帝」「人類最強の男」「60億分の1の男」など多くの賞賛を浴びた、第2代PRIDEヘビー級王者、エメリヤーエンコ・ヒョードルさん(45)がロシア総合格闘技連合(MMAユニオン)を電撃引退したことが分かった。
理由は明かされていないが、ヒュードルさんはウクライナ出身。現会長や幹部がロシア軍支持を公表していることが原因ではないかと見られている。
団体幹部の行動と政策が支持できない
ロシアの日刊スポーツ紙のweb版「スポルト・エクスプレス」(Спорт-Экспресс)によれば、MMAユニオンがヒョードルさんの同団体からの引退を2022年4月1日に発表し、ヒョードルさんの手紙も公開。そこには3月30日以降に同団体幹部の行動と政策が支持できなくなったことで引退する、と書かれている。ただし、「何かが変わったら、私はおそらく組合に戻り働くだろう」とも。3月30日頃に何があったのか。記事には、ロシアチームが世界選手権に参加する場合は中立な立場となり国歌は無くなる。国際総合格闘技連盟(IMMAF)がロシアMMAユニオンのメンバーシップを停止した。これで主要なトーナメントで無期限にプレーする機会を失った、となっている。ロシアMMAユニオンのラドミール・ガブドゥリン会長の公式ホームページを見ると、トップページには、ロシア皇帝アレクサンドル3世の言葉が掲載されている。それは、
「ロシアには友達がいません。彼らは私たちの広大さを恐れています。信頼できる友人は2人だけです。ロシア軍とロシア艦隊です!」
というものだ。ヒョードルさんの公式Instagramには、
「ヒョードル、兄弟の人々の戦争を止めてください」
などといったことが書き込まれていた。
「私はヒョードルの決定を尊重します」
ロシアMMAユニオンはヒョードルさんらが2012年に立ち上げ、18年までヒョードルさんが会長だった。以降はラドミールさんが会長を務め、ヒョードルさんは名誉会長兼監査役会会長となった。この2人は非常に仲がいい事で知られている。
4月4日にはラドミール会長のコメントが発表され、そこには、
「私はヒョードルの決定を尊重します。私にとって、ヒョードルはアイドル、偉大なアスリート、生きた伝説以上のものであり、彼が自分の道を選んだ今でも常にそこにいる友人です。彼のスポーツキャリアの継続を待つとともに、ヒョードルチームのパフォーマンスをフォローします」
などと書かれている。
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「スポルト・エクスプレス」のヒョードルさんに関する記事の一覧
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エメリヤーエンコ・ヒョードル公式Instagram