日本では今「生理の貧困」というワードが独り歩きしている。海外では一般的に生理用品を購入する余裕がない低所得者や災害などの事情で入手できない、状況を指す。日本では「貧困で買えない」となっている。
このワードに賛同する意見は見られない。日本に「貧困」はあっても「生理の貧困」など無い、という意見ばかりだ。ドラッグストアで買えば有名メーカーでも月に300円程度の出費で済む「必需品」。それを買えないとなれば、親の教育だったり、そもそもお金の使い方が間違っている、というのだ。
豊島区は生理用品2万1900個を15日から配布
「生理の貧困」で最近話題になったニュースは、東京都豊島区の生理用品配布だ。金銭的な理由で生理用品を購入できない女性を支援するため2021年3月15日から防災備蓄用を配布する。同区は10代、20代女性の貧困、虐待、自殺などの問題に取り組み1月29日に「すずらんスマイルプロジェクト」を立ち上げた。その支援団体から「生理用品を渡すことがある」との声が寄せられ、「生理の貧困」を抱える女性を支援することが決まった。備蓄用の入れ替え時期が来ている計730パック、2万1900個を配布する。
大学生が中心となったグループ「#みんなの生理」が、コロナ禍で経済的に困窮する学生にアンケート調査したところ、過去1年間で、
「金銭的理由で生理用品の入手に苦労したことがある若者が20.1%。金銭的な理由で生理用品でないものを使ったのが27.1%。生理用品を交換する頻度を減らしたのが37.0%」(調査人数671人、3月2日時点)
という結果が出た、と発表した。
生理用品買うおカネが無い「まずは食べないと」
NHK「NEWS WEB」電子版(3月4日)では「生理の貧困」に悩む大学生のコメントが載っている。コロナ禍で月に13万円あったバイト代が2万円になってしまった。まずは食べないとダメだから生理用品にかけるおカネが無い。
「生理用品が使えないことで病気になるのがいちばん怖いです」
などと語った。親はどうしているのかというと、父親と2人暮らしで、幼い頃から折り合いが悪く、自分の生活にかかる費用のほとんどをアルバイトで稼いできた、とした。
こうしたニュースが出たのだが、コメント欄や掲示板に来る女性たちは一様に首を傾げている。生理用品は買う、買わないではなく「必需品」でありそれほど高いものではない。ドラッグストアで買うと有名メーカーのものでも月に300円程度の出費、という人が多い。月に150円しかかからない、という人もいる。また、手製の布ナプキンを作っているため一度作れば基本的に月の出費はゼロ、という人もいた。日本に「貧困」はあっても「生理の貧困」などなく、仮に「生理の貧困」があれば、それはおカネが要因ではない、というのだ。
掲示板には、
「貧困の問題というより、教育の問題という面が大きそう」
「生理用品って、有名メーカー羽有44個200円で買えますよね。200円をかき集めるの?200円さえ無いのなら、食べるものさえ無いと思いますが」
「貧乏なんじゃなくて、身の丈にあった生活が出来てないだけって気がするのよね」
「貧困の問題というより、教育の問題という面が大きそう」
「親の育児放棄ですから、貧困では無くて虐待なんですよ」
「親が用意しない、生理について教えない、フォローしないというのは親としての義務を怠ってますよ」
「本当にお金がないんじゃなくて正しいお金の使い方が分からない人が多そうだよね、貧困層には」
またこんな意見もある。
「金が無くて買えない訳じゃないけど、何でこんなもんに金払わなきゃいけないのかとは思うよね。女ってだけで強制的に買わされてる物だもん」
(リンク)
「生理の貧困」を調査 学生の約2割『生理用品 買うのに苦労』(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210304/k10012896501000.html
生理の貧困 社会を動かす女性たち(NHKクローズアップ現代)
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4530/index.html