NHK朝のニュース番組「おはよう日本」は2021年4月9日、化粧品・サプリメント会社のDHCを「人種差別企業」扱いする、かなり厳し目の特集を組んだ。同社の吉田嘉明会長のコラムがいまだに削除されていないことを問題にした。吉田会長は番組放送終了後「NHKは日本の敵です。不要です。つぶしましょう」というコラムをDHCのHPに掲載した。NHK VS DHCのガチバトルの様相になってきた。
「ネットではチョントリーと揶揄」コラムが発端
「おはよう日本」はこの日の放送で「企業に求められる人権の取り組み」についての特集をした。DHCに対して今年の2月に市民団体が行った人種差別反対の署名の様子や、ジャーナリストのDHCに対する見解、そして4月2日の国会でのDHCに対する議論などを報じた。ただし、DHCの人種差別といっても、原因は吉田会長のコラムの内容であり、DHCという企業が何かをやっている、というものではない。DHCがなぜ問題となった吉田会長のコラムをHPから削除しないのか、という点でNHKはDHCを「人種差別企業」扱いしているのだ。
問題となったコラムはDHC公式オンラインショップHPに掲載された同社のイベント「ヤケクソくじについて」に掲載されている(掲載は昨年11月)。内容はDHCのサプリメントがいかに優れていて、顧客に支持されているかというものだが、比較対象にしたのはライバル会社のサントリーで、
「サントリーのCMに起用されているタレントはどういうわけかほぼ全員がコリアン系の日本人です。そのためネットではチョントリーと揶揄されているようです。DHCは起用タレントをはじめ、すべてが純粋な日本企業です」
と書いている。この部分が差別だと問題視された。
「おはよう日本」ではDHCを愛用している在日コリアン4世だという女性が登場し、
「使う度に思い出してしまうので、使っていていい気分にはならないですね。自分の出自を貶める記述に恐怖を覚えました」
などと語った。
「NHKは幹部、アナウンサー、社員の殆どがコリアン」?
番組ではDHC側からの回答だとする文章を読み上げた。全ては見えなかったが、その様子から番組終了後に吉田会長がHPにアップした声明とほぼ同じことが書かれてあった、ということが分かる。吉田会長はこんなことを書いている。
まず、「おはよう日本」から人種差別発言に関する取材の依頼が広報部にあり、「日本の朝鮮化」の元凶であるNHKからの取材依頼に嬉しくて小躍りした。NHKの現状を国民に周知させることができるチャンスだからだ。「NHKは幹部、アナウンサー、社員の殆どがコリアン系である」。出演者も、街角インタビューで出る人もコリアン系。サントリーは一企業だから文句は言えないが、NHKは全国民から受信料を毟り取る公的機関だから放置はできない。マスコミは吉田会長を人種差別主義者とレッテルを張っているが、差別というのはマジョリティーがマイノリティーに対して行うものであり、コリアン系は政界、財界、法曹界、マスコミ界という日本の中枢を牛耳る大マジョリティーである。自分が経団連を抜けたは、内部がコリアン系に占められたからだ。
「NHKに対してひとこと感想をと言われれば、『NHKは日本の敵です。不要です。つぶしましょう』」
と書かれている。
(リンク)
DHC吉田会長の声明『NHKは日本の敵です。不要です。つぶしましょう』
https://top.dhc.co.jp/contents/other/kuji_about/
NHK「おはよう日本」2021年4月9日放送(NHKプラス)
https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2021040903150?cid=jp-QLP4RZ8ZY3