私たちが今付けているマスクや、飲食店、職場などで隣を遮るアクリル板、コンビニやドラッグストアなどでレジ側とお客を隔てるビニールシートは、コロナ感染の予防どころか感染を拡大させる、そんな話が相次いで感染症研究者や大学の研究チームから出ている。

米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長と、電気通信大学の研究チームからだ。

ファウチ所長「マスクでは守れない。着用は必要ない」

ファウチ所長といえばアメリカのコロナ対策を率いる人物で、先ごろ、米国の「情報公開法」に基づいて昨年初めからのメール数千通が公にされた。現在日本で話題になっているのはファウチ所長の「コロナ人工説の隠蔽」。武漢ウイルス研究所に米国立衛生研究所が2014年から19年にかけ、340万ドル(約3億7400万円)を送金していたことが分かった、というもので、それをファウチ所長が意図的に「コロナは自然界から出たもの」と隠したのではないか、という疑問だ。そして日本では殆ど報道されていないが、ファウチ所長のメールの中にこんなものもあった。

「市販のマスクは非感染者の身を守るものではない。マスク着用は必要ない」

ニューズウイーク日本語版(6月7日配信)によれば、これが明らかになると、

「マスク懐疑派の不満が爆発。国民をだましていたとしてファウチの解任を求める共和党議員や保守派の著名人らの投稿がSNSを席巻した」

と書いている。実はファウチ所長、20年2月時点では「マスクは不要」の強硬派だった。それが2か月後の4月頃からマスクの強要に変化した。アメリカ国民としては、新型コロナの「人工説」と同じように「国民を騙したのでは」という受け止められ方をした。

「マスクやアクリル板で感染増は普通のこと」

日本では電気通信大学i-パワードエネルギー・システム研究センターの横川慎二教授を中心とした研究チームが、21年5月31日、新型コロナ感染症対策として用いられているアクリルパネルやビニールシートが感染拡大を引き起こしている、という研究結果を発表した。「接触」「飛沫」「マイクロ飛沫」という感染経路があり、その「マイクロ飛沫感染」の一因になっているという。

「マイクロ飛沫」によるクラスターが発生した宮城県内の事務室を研究したもので、事務室には床面からの高さ 1.6mのビニールシートパーテーションが設置されていた。それによって空間遮蔽ができ、空気の換気に悪影響を及ぼし、マイクロ飛沫感染が起こる可能性を発見したという。

2021年6月11日のネット報道番組「虎ノ門ニュース」ではこの2つの事例を取り上げた。科学者の武田邦彦さん(78)は、

「マスクをしたりアクリル板を付けると、感染数が増えるというのは普通に考えられることです」

とした。マスクに関しては昨年の2月頃まで日本でも各医師会が一致して言っていたのは「

マスクで感染予防はできない」

ということだった。

【前編終了。後編に続く】

いまさら何を!?「マスクは意味無いし、子供に危険だと、医師会も小児学会も言ってたじゃないか」(後編)

https://nnjnews.net/?p=3463

(リンク)

NEWSweek日本語版「市販のマスクは効果なし?」

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/06/post-96463.php

 

電子通信大学「アクリルパネルやビニールシートがマイクロ飛沫感染の一因に

https://www.uec.ac.jp/news/announcement/2021/20210531_3411.html