大人気アニメ「【推しの子】」主題歌、YOASOBIの「アイドル」に関し、「ラップみてえなパートがクソダサくて正直聴いてられない」とのツイートが出た。案の定炎上し、ツイ主は当該ツイートを削除した。
同曲は6月10日付けのbillboard「Global200 top 10 」で9位にランクインする快挙。ただし、先のようにラップ部分が「ダサイ」または「痛い」と感じる人が結構いる。一方、「あれはラップ?」との疑問。「ボカロ念仏」、「ダサイ、違和感こそトレンド」と喜んでいる人もいる。J-POPなのか、「ボカロのアニソン」なのか、どう捉えるかがポイントになっている。
YOASOBIメンバー2人はボカロP
ビルボード(billboard)によれば、6月7日公開(集計期間:2023年5月29日~6月4日)の日本国内総合ソング・チャート「JAPAN Hot 100」で、「アイドル」が8週連続首位を獲得。米国を含まない「Global Excl.U.S.」で日本語歌唱楽曲史上初の1位。米国を含んだ「Global 200」で9位という世界的ヒットとなった。プロデュースと作詞作曲をしたのがAyaseさん(29)。もともと「初音ミク」などボーカロイドを使った楽曲制作の超有名人物(ボカロP)。歌唱のikuraさん(幾田りら、22)もボカロP。
YOASOBIを敵視してはいない
これだけのヒット曲。アニメファン、ボカロファン以外の人の耳にも届く。アニメ「推しの子」を観たことが無いという会社員で、音楽活動をしているTwitterネーム「Leo。」さん。6月1日にTwitterでこう呟いた。
「YOASOBIのアイドル、ラップみてえなパートがクソダサくて正直聴いてられない」
この発言が6日頃から急に注目され炎上する。多くはYOASOBIファンからの批判だ。「Leo。」さんはアンチ認定され、許すことはできない、といった批判を浴びた。
「『三原色』って曲のは有名だけどめっちゃ好きなんですよね…あくまであの曲(アイドル)のあの部分だけの言及なのに…YOASOBIを敵視してるみたいな感じになっちゃった…」
と8日に説明し、問題のツイートを削除した。激しい罵倒は少なかったものの、これ以上炎上が続けば、本気で攻撃してくる人が現れる可能性に恐怖した。
アニメに続々登場する「ラップ回」
アニメではこのところ、キャラのラップシーンが増えていて、その度に話題になる。「ゾンビランドサガ 」「パリピ孔明」「かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-」「遊戯王ゴーラッシュ」「阿波連さんははかれない」など。以前はラップが流行すると唐突に投入され違和感ありまくりで「糞ラップ」と言われていた。ここに来ての変化は、音楽ジャンルのラップというより「語り」に近いコミカルなもの。だから「笑えたw」となる。ただし「孔明」は違った。「語り」の延長線ではなくプロを目指すキャラが登場したことで「寒い」「イタイ」の感想が出た。アニメファンにはラップは英語で韻を踏むもの、日本語ではなかなか馴染まないという認識。しかも日本の声優が演じていた。
ラップではなく「ボカロ念仏」
YOASOBIは「特定の小説」をテーマに楽曲を作る。「語り」のフレーズが入ることで知られる。楽曲「アイドル」のテーマは原作漫画「【推しの子】」。そして2人はボカロP。ボカロはまず普通に歌わせる事から始まり、ハイテンポで歌わせる、セリフを言わせる、早口で喋らせる、その延長線上にラップのようなものが出来上がる。それは「ボカロ念仏」「早口言葉念仏パート」と表現される。ボカロの発する言葉のたどたどしさ、不安定さなどが作り手、聞き手の楽しみと笑いに変わっていく。カラオケで歌うと、うまく歌えないからこそ盛り上がる。ただし、誰もが「ボカロ念仏」を受け入れられるのか、というとそうでもない。好みが分かれる。YOASOBIの「アイドル」のラップ部分は「語り」の延長線上にある。それをラップと認識するかどうかは人それぞれだ。
ダサさ、違和感を楽しむのが流行
とにかくYOASOBIの大ファンであり、どんなことでも新鮮に受け止めている人は別だが、「アイドル」はJ-POPなのか、「ボカロのアニソン」なのかの受け止め方で反応は異なる。掲示板には、
「ラップパートがどこかわからん俺」
「なんかモソモソ言ってる謎パートだと思ってた」
「キャッチーなサビ&ラップもどき&唐突な転調 90年代の小室かな?」
といった書き込みが出ている。そして、YOASOBIのルーツはボカロと理解している人たちはこんなことを書き込んだ。
「(「アイドル」楽曲を)ラップ・Hiphopと混同してるパープリンいるのか?」
「ラップっていうか愚痴やろあれ」
「あの部分で『うわきっしょww』となるのは(ボカロに慣れていない人にとって)当然の反応だしそれが当たり前だ」
「音楽以外の付加価値(ボカロなど)でダサさや違和感を感じ楽しむのが最近の流行り。気に食わなくても時代の流れなので諦めましょう」
YOASOBIの「アイドル」の世界的ヒットは、「ボカロが歌うアニソン」という日本のトレンドが世界にやっと伝わった、と考えている人も多い。
(関連記事)
人気アニメ「推しの子」第六話 木村花さんのお母さんが激怒 「事件を丸パクリ、制作から何の連絡もない」
昨年の夏アニメ「異世界おじさん」 3つの季節を超えて10日に全13話が終了 トンデモ延期に批判の声少なく
絶対許さないテレ東……アニメ「SPY×FAMILY」録画失敗した人続出 放送時間急遽繰り上げに恨み節
(リンク)
Leo。さんTwitter「推しの子のアニメほんとに観てないからわかんない」
https://twitter.com/Nomen_1eo/
削除されたツイート図鑑「「ラップみてえなパートがクソダサくて正直聴いてられない」
https://twitter.com/334SEX/status/1666603293005742082
billboard「Global Excl.U.S.」日本語歌唱楽曲で史上初の1位