大型量販店のエスカレーターにショッピングカートを置いて下に落とす、非常に危険な動画が複数2021年2月8日に出回った。動画サイト「TikTok 」(ティックトック)に投稿されたものだ。
以前ならばネットが騒然となり「犯人」が特定、通報という流れになるが、現在はそうでもないようだ。ネット上では、「犯人」は「陰キャ」か?「陽キャ」か?などと議論になり、こんな動画では刺激が足りないとし、掲示板「5ちゃんねる」では過去に注目されたハプニング動画を貼って盛り上がっている。なぜなのか。
「都内で有名になりたいです」
問題の動画のプロフィールには団体名なのだろう「やりら隊」と書かれていて、「都内で有名になりたいです。やりらふぃの頭」「イオンモール前代未聞出禁」などの説明がある。ただし2月9日午後4時現在「TikTok 」上のこのアカウントは閲覧できなくなっている。キャプチャは残っていて、学生風の複数の男性が登場。一人がショッピングカートを押してエスカレーターに近づき、下りエスカレーター階段にカートを置くと、カートは下まで転げ落ちていくというもの。閲覧できなくなった「TikTok 」にあった動画は、買い物客が上から転げ落ちてくるカートに気付き、驚いて逃げる様子が映っていた。
これは非常に危険な犯罪行為である。傷害、器物破損になる。以前ならばネットが騒然となり「犯人」が特定、通報という流れだった。もちろんネット上には「早く逮捕しろ!」といった訴えもあるのだが、掲示板「5ちゃんねる」にはこうした特徴的なコメントもある。
「Twitterでも『イオン』『カート』で調べても何も出てこんな、平和そのものよ」
そして、
「カートに乗ったままエスカレーター下りるとかなら笑えるけど」
「中学校で一番イカれた先輩は、自転車で突入して店内をなかなかのスピードで走行しながら買い物とか」
つまり、「都内で有名になりたいです」としてカートを落としたこの映像は「受けがイマイチ」ということになる。そのため「5ちゃんねる」では過去のハプニング動画を次々に貼りだして品評をし、盛り上がっている。
15秒の最後をどんな「落ち」にするかがポイント
他の掲示板では、この投稿者が「陰キャ」(陰気なキャラクター)なのか「陽キャ」(陽気なキャラクター)なのか、と議論になっている。もちろんその背景には、
「こんなん防犯カメラで完全に個人特定されとるで」
「顔写ってるしすぐ捕まりそうやね」
という安心感がある。実は、こうした現象のポイントになっているのが「ティックトック」の機能だ。基本的に15秒(最長60秒)の動画がアップできる。そして、その15秒の最後をどんな「落ち」にするかで動画の完成度が決まる。そのため最終部分の「ハプニング」を工夫する人が多く、視聴する側もそれを期待する。こうしたことが従来からあるツイッターやYouTube動画、ニコニコ動画といったSNSとの違いだ。今回の騒動は、動画の最後に何を持ってきたのか、ということ。つまりハプニングの部分に「犯罪」を持ってきた投稿者は「陰キャ」なのか、「陽キャ」なのかについて議論され、最後の「犯罪落ちは面白かったのか?」という疑問が出ている、というわけだ。
ちなみに「陰キャ」か「陽キャ」かに関しては、
「陰とか陽とかいうレベルの話超えててなんと言っていいか分からない」
といった意見の人が多い。
(リンク)
【tiktok】エスカレーターに買い物カートを落とす少年(ニコニコ動画)
https://www.nicovideo.jp/watch/sm38253552