お笑いコンビ「極楽とんぼ」の加藤浩次さん(51)がテレビ番組で、「イラッとする一言」に言及した。
テレビを見ていないことが凄い!、と思っている人がいて、テレビを見ていないから加藤さんを見ても「誰?」と自慢するようなそぶりをする。マウンティングされた気持ちになるためイラッとするのだそうだ。ネット上ではこの発言に反発が起きていて、そもそもネットやスマホに視聴者は奪われテレビ離れが起きているのが現状だから、加藤さんは時代遅れで自意識過剰すぎるというのだ。
「知らない」とマウンティングしてくる人がいる
加藤さんが出演したのは自らがMCを務めるTBS系バラエティー「この差ってなんですか」(2020年8月18日放送)。
「『なんでそんな言い方?』イラッとされる余計な一言」のコーナーでタレントの上地雄輔さん(41)が、ある会社の飲み会に招待されたときのエピソードを語った。それは、その会社の経営者から、
「俺、あまりテレビ見ないからさ(上地さんのことは知らない)」
と言われたというのだ。上地さんは自分のことを知らないのは気にならないけれども、こういうのは経営者の「一発かましてやる」的な対応はおもしろくない、とした。
それに反応したのが加藤さんだ。加藤さんは、
「テレビ見てないことが凄い!というか、それでマウンティングしてくるやつっているよね!?」
と語りだした。レストランなどの飲食店に行くとお客に「アッ、加藤!」と驚かれることがある。それは全然いいことなのだが、「俺テレビ見ないからよく分かんないけど、誰?」という会話が聞こえて、「朝の『スッキリ』やってる、、」との説明に続き「、、、俺、朝見ないから、へへっ」などと言っている。その会話が耳に入ってくると加藤さんは「イライライライラ、、、」する、と語った。
なんとなく気持ちは分かるのだが、ネット上では「テレビを見てないことが凄い」という発言に反発し、多くの人が噛みつくことになってしまった。
テレビ局の広告収入減少に歯止めがかからない
ネット上の掲示板には、加藤さんは時代錯誤なのではないのか、ということが多く書かれた。今やテレビを見ていないというのは普通のことであり、自分の凄さを自慢するものではない、というのだ。
「本当に見てないんだから他に答えようがないんだよ」
「テレビ見ないのが普通になってることに気付かないテレビ出てる人たち哀れだな」
「俺はTV大好きでめっちゃ見るから、芸能人がこんなダセーこと言ってると悲しくなるよ。なんで凄いとか凄くないの話になるの?」
などの意見のほか、
「『自分を皆が知っていて当たり前』とか思ってる方がよほどマウンティングだと思うわけだが」
「むしろ『テレビ出てたらそんなに凄いのですか?』のブーメランですよそれ」
といったことが書き込まれた。
総務省情報通信政策研究所「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によれば、平日のテレビ(リアルタイム)視聴は2012年が全年代平均で184.7分に対し、18年は156.7分、ネット利用は同71.6分、112.4分だった。10代は特に顕著な数字が出ていて、
12年が同102.9分、108.9分に対し、18年は同71.8分、167.5分だ。明らかにテレビの視聴は減ってネットが急増している。
こうしたことからテレビ局の広告収入減少に歯止めがかからない。新型コロナウィルスの影響が大きいものの、20年8月10日までに出そろった在京民放キー局5社の4~6月期連結決算でテレビ東京ホールディングス(HD)を除く4社の最終利益が減少し、フジ・メディアHDは前年同期比90.6%減、日本テレビHDは81.7%減となった。これについてネットでは、
「しょうがないよな、俺みたいな40代のおっさんでもテレビほとんど見ずにYouTubeばっか見てるもん」
といった書き込みが出ていた。
リンク
TBSテレビ「この差って何ですか?」公式サイト
https://www.tbs.co.jp/konosa/
総務省情報通信政策研究所