「なら何ミリでもダメじゃね…?」のツイートがバズっている。1万3000のリツイート、12万2000の「いいね」が付いた。牛丼チェーン松屋のポスターにあるキャッチコピーのこと。「肉の厚さは1.1ミリ。それ以上でもそれ以下でもダメなんです」。
以上、以下を使っているなら1.1ミリも含まれるからダメ、という理屈だ。これに対し、「揚げ足取りだ」「慣用句だからOKだ」との批判が出ているわけだが、アニメ「機動戦士Ζガンダム」のキャラ、シャア・アズナブルによって誕生した有名なセリフ「それ以上でもそれ以下でもない」を元に考えると、松屋の1.1ミリのスライス肉は幻の存在になる。
シャアの影響力で広まった流行語
YouTuberの「わが」さんが松屋のポスター写真と共に12月9日に投稿したのが、
「なら何ミリでもダメじゃね…?」
松屋としては1.1ミリにスライスした肉を提供していて、その厚さが最高に美味い、と主張しているわけだが、「それ以上でもそれ以下でもダメ」ならば、1.1ミリも含まれるはずだからダメなのではないか、との疑問だ。このツイートに議論が起こり、始めは理系的にはダメだが、文系的にはOK、という流れになったのだが、
「文系理系の問題じゃない小学生レベルの話でNG」
といったリプも現れた。一方で、「それ以上でもそれ以下でもない」はそもそも慣用句であり、「揚げ足取りはやめろ!」との批判も出る事態になった。
そこで話題になったのがアニメ「機動戦士Ζガンダム」のキャラ、シャア・アズナブルのセリフ。実は、「それ以上でもそれ以下でもない」を広めたのはシャアの影響力。このセリフ、流行語となり現在も語り継がれている。
クワトロ大尉は別に存在していた
「機動戦士Ζガンダム」は1985年から86年にかけて放送され、第13話の「シャトル発進」で、シャアはこう言う。
「今の私は、クワトロ・バジーナ大尉だ。それ以上でもそれ以下でもない」
シャアは自分の身分を隠し、偽名を使いモビルスーツのパイロットをしていた。主人公のカミーユ・ビダンらにクワトロはシャアではないか、と迫られてもシャアは自分がシャアであることを認めない。そして、あのセリフになる。その後、カミーユはシャアの態度に腹を立て、
「歯を食いしばれっ。そんな大人、修正してやるっ!!」
とシャアの顔面を殴る。シャアは、
「これが若さか、、、」
と語り、シャアであることを認めないまま任務に向かう。この「以上でも以下でもない」が当時も議論になり、そして流行語になった。結論として、シャアはカミーユたちに自分は実はクワトロではない、「クワトロはここに存在していない幻だ」というメッセージを送るとともに、自分はシャアであることを伝えた、という解釈になった。もともとクワトロは別に存在し、シャアはそれと入れ替わっている。物語後半でシャアはシャアを名乗る。以上のことを松屋の「それ以上でもそれ以下でもダメ」な1.1ミリのスライス肉に当て嵌めると、「肉の厚さは1.1ミリが最高に美味いというのは幻」「そもそも1.1ミリのスライス肉は存在しない」ということになる。一方で、松屋がなぜこのキャッチフレーズを考えたのかは分からないが、これだけ話題になったのなら広告宣伝としては大成功なのではないか?と思っている人もいる。
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YouTuberの「わが」さんTwitter「なら何ミリでもダメじゃね…?」
https://twitter.com/waga_integral/
「機動戦士Ζガンダム」公式サイト