「機動戦士ガンダム」シリーズのプラモデル「ガンプラ」。あまりの人気に品薄となりなかなか入手できない。メーカーの BANDAI SPIRITS(本社:東京)は、工場を増設し生産能力を上げても追い付かない。これは転売で稼ぐ「転売ヤー」の買い占めのせいだというのが定説だが、実はガンプラの転売はそれほど儲かっていないという。 

西日本新聞が「月に10万円以上稼ぐ人もいる」と紹介したところ、ネットで「あれだけ苦労して仕入れ、忌み嫌われる存在なのに、稼ぐ人で10万円ポッチ」と笑いが起きた。なぜなのか。 

定価の3倍もの値段が付いた!と言うが、、、 

 西日本新聞の2022年5月26日付け電子版によれば、ガンプラの品薄の原因と、オークションサイトでの価格高騰に拍車をかけている「犯人」こそが転売ヤー、だという。ショップの中には買い占め対策として、ガンプラを1人1点しか売らない店もあるとした。品薄は転売ヤーにとって高値で売れる好機。 

「実際にショッピングサイトでは、3月発売の5500円の新商品に約1万6千円の売値が付いていた」 

そして、どれだけ転売ヤーが儲けているかというと、 

「別の関係者は『ガンプラの転売で月に10万円以上稼ぐ人もいる』と明かす」 

とした。この記事にネットで笑いが起きた。転売ヤーへの批判はどんなジャンルでも大きいが、特にガンプラに関しては悪名が高い事で有名だ。強引な買い占めはもちろん、店や問屋に「倉庫にあるはずだ!」など脅しのような要求をする。それが嫌でガンプラの扱いを中止した店もある。ガンプラに対する「愛情」は感じられず、買い漁るその姿にファンの怒りが爆発している。ところがその転売ヤー、記事によれば儲けている人で月に10万円だというのだ。ネットでは、 

「アレだけやっても10万行くのは一部とか、、、」 

「月10万とかクソ雑魚じゃん…そんな端金のために、恨み買いながらせっせと転売してるのか」 

「社会に迷惑かけて恨まれてろくな経験にもならず月10万か・・・人生ドブに捨ててるというか終わってるなw」 

といったことが掲示板に書き込まれた。実はガンプラの転売、手間がかかる一方でよっぽど上手くやらなければ儲からない、というのが定説だ。 

なぜガンプラの転売は儲からないのか

 まず、転売目的のガンプラそのものが入手しにくい。そのため様々な店を「駆けずり回る」ことになるが、どうしても転売品の絶対量は限られてくる。しかし運よくゲットしても、様々な壁が立ち塞がる。そのガンプラは人気商品なのか、不人気商品なのか。市場に多く流通しているモデルか、いないモデルか、で異なる。不人気で市場に余っているとすれば当然オークションサイトでは値が付かない。さらに「値崩れ」がある。人気モデルであっても売り切れ後に再販(追加製造)が発表されたり、新モデルの発表などで旧モデルの価値が下がる、などがある。ガンプラに対する目利き、マーケットを読む力が試される。 

NNJニュースはヤフー・オークション(ヤフオク!)に出品されたガンプラ、「HGUC 1/144 ガンダムF91 (機動戦士ガンダムF91)」に注目してみた。これは5月26日現在、Amazon「ガンプラストア」で1320円の値段が付いている。同じものが「新品未開封品」として5月25日午後8時59分に出品された。オークション終了は5月26日午後8時59分。出品価格は税込み1480 円。送料の全国一律510円が上乗せされる。終了後に見に行ったところ、入札した人は一人もおらず、終わっていた。 

 

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(リンク)

西日本新聞「ガンプラ高騰の陰に転売ヤー『稼ぎは月10万円以上』『店員から入荷情報入手』」 

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/928613/