山口県阿武町が田口翔容疑者(24)に誤って4630万円を振込んだ問題。町にその9割に当たる4299万3434円が町の口座に振り込まれ戻ってきた、と阿武町の花田憲彦町長が町側の弁護を担当する中山修身弁護士とともに会見を2022年5月24日に開いた。
なぜ田口容疑者がオンラインカジノで使ったお金が戻って来たのか。花田町長は「法的に確保した」と語った。中山弁護士はその「法的」内容を説明したのだが、結局、「なぜ決済代行業者がお金を戻したかは分からない」とした。これってオンラインカジノが「規約」に従っただけなのではないの?
代行業者を動かしたのは誰?「全然知りません」
花田町長の「法的に確保した」ことを中山弁護士が説明したのだが、内容がよく分からない。4月8日に田口容疑者の口座がある銀行に「警告書」を出した。実際に田口容疑者が預金を移動させたため銀行に対し「損害賠償をする」と言った。田口容疑者が使ったオンラインカジノ決済代行業者は3社。その3社が使っている2つの銀行に対し3社の名義人を聞いたが回答は無い。ただし、銀行に対し3社のうちの1社の口座を田口容疑者のお金が入っていることで「国税徴収法上の差し押さえをした」。阿武町はこの3社の名前を知らない中、民事裁判を起こした。そして5月23日に銀行から「しかるべき手続きをしました」と連絡が入り、4299万3434円が戻って来た。中山弁護士は、
「なぜ(決済代行業者が)お金を戻したかは分からない」
と語った。警察が圧力を掛けたのか、銀行が決済代行業者を説得したのか、
「全然知りません」
とした。
田口容疑者300万円超は何に使ったか?
NNJニュースが「阿武町に3590万円が返還された簡単なカラクリ 田口容疑者名義でオンラインカジノが振り込んだ流れ」(5月23日付け)で報じたように、オンラインカジノには「規約」がある。それは、
「不正な手段で取得した資金を入金することは違法です。賭けを無効にし、ユーザーのアカウントからすべての資金を没収し、閉鎖する権利を留保します。没収した資金はアカウント所有者の名義でのみ、過去6か月に最も多く入金に使用された決済口座(今回は阿武町)に送金されます」
というもの。田口容疑者の「事件」が発覚し、3社とも「規約」に従ったということになる。一方で4630万円の満額には300万円超足りない。
「お金はすべてオンラインカジノで使った」
と話していたが、それもオンラインカジノで「規約」に従わない会社なのか、それとも、別の何かを購入するために使ったのか、まだ分からない。
(関連記事)
「阿武町に3590万円が返還された簡単なカラクリ 田口容疑者名義でオンラインカジノが振り込んだ流れ」
(リンク)
阿武町役場公式HP