北海道・知床半島沖で沈没した観光船「KAZUI(カズワン)」の引き揚げ作業が失敗し、水深182メートルの海底に落下させた。台船と呼ばれる作業船でカズワンを水深20メートル地点にワイヤで吊り移動させている最中だった。他の船をひいて航行することを「曳航(えいこう)」というが、なぜその場で直ぐに引き揚げず、曳航するの?といった疑問が当初からあった。
浅瀬に行くために曳航していたのに、、、
「なぜ引き揚げずに曳航?」。2022年5月23日のテレビ朝日「ANNニュース」に出演した元第三管区海上保安本部長で日本水難救済会常務理事の遠山純司さんは3つのポイントをあげた。一つはカズワンを引き上げるために台船を固定しなければならない。それには錨を使うが、錨が海底に届く浅瀬でなければならない。二つ目は引き上げ前。カズワンにワイヤが確実に固縛されているか確認が必要で、確認には潮の流れの影響が少ない陸地近くがいいとした。そして、
「万が一船体がズレ落ちてしまったとき、浅瀬だと引き上げが楽になる」
と説明した。
「ほんとにコントすぎる」
海底約115メートルに沈んでいるカズワンの引き揚げは23日から始まり、水深20メートルの海中に吊り上げた状態のまま、台船は斜里沖へと向かっていた。24日中に引き揚げ作業は完了するとされた午前8時~10時ごろ、第1管区海上保安本部へ「海底に落としてしまった」との連絡が入った。その後、11時42分に水深182メートルの海底にあるのが確認された。浅瀬を目指していたのが逆に、さらに深い海底にカズワンを落とすことになった。深海に潜る特殊技術「飽和潜水」を使って再び吊り上げる計画だが、ネットでは、
「世界に誇る日本の技術!って言ってなかった?」
「馬鹿な俺でも馬鹿だと思う」
「ほんとにコントすぎる」
「今頃、手叩いて拍手してる連中が居るだろうよ」
などといったことが掲示板に書き込まれている。
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テレ朝ニュース「沈没の観光船 なぜ引き揚げずに曳航? 事故原因どう究明? 専門家が解説」
https://news.tv-asahi.co.jp/news_societ