北海道知床半島の沖合で、乗客乗員26人が乗った観光船「KAZU I(カズワン)」が消息を絶った事故。船上プロポーズするため乗船した男性がいたと話題になっていた。
その2人はいまだに行方がわからない。男性の父親は女性の親御さんと相談し、男性の家族が代理となり、2人の婚姻届を北海道の北見市役所に提出したという。
「もう、ダメなのは覚悟しているけど、、、」
船上プロポーズを計画したのは、北海道北見市の鈴木智也さん(22)。観光船の消息が絶った23日は、一緒に暮らしている女性の誕生日だった。智也さんはサプライズを考え、休暇を取り女性を知床旅行に連れ出した。指輪も用意していた。今でもウトロ漁港の駐車場には、智也さんの車が残されてる。23日の事故当日、父親の鈴木剛さん(51)が「誕生日おめでとう」と連絡すると、女性が喜ぶ様子を撮影した10秒程度の動画が送られて来た。乗船する直前のものだった。観光船の行方がわからなくなったことで、女性の親御さんも駆けつけてきた。剛さんと親御さんは泣きながら会話をした。
「バラバラじゃなくて、どんな形であれ、一緒に出てきて欲しい。もう、ダメなのは覚悟しているけど、2人一緒に見つかって欲しい、それだけです」
と話していた。そして、その続きをNHK NEWS WEBが27日に報じた。
「俺が窓口に座って形だけ受け取ってやるよ」
NHK NEWS WEB によれば、剛さんと女性の親御さんが話し合い、北見市役所に智也さんと女性の婚姻届を提出することを決めた。婚姻届は26日、剛さんの家族が代理になって提出した。しかし、婚姻届は受理されなかった。智也さんの叔父にあたる人物の証言が掲載されていて、
「智也さんは彼女との結婚を望んでいたので、婚姻届を提出した。手続きは難しいとは思うが、受理してもらいたい」
と話していた、と書いている。
この NHK NEWS WEBの記事を読んだ人達の間には、微妙な空気が流れることとなった。まず、2人の安否が分かっていないこと。プロポーズは間違いなく受けるのだろうが、それが即結婚となるのかどうか。また、結婚する本人がそこにおらず、委任状もないのに家族が代理で持って行き受理されるものなのか。そして、そんな時、市役所職員はどう対応すればいいのか。
「こういう時の受付も辛いんよね。罪悪感が出てくる」
「俺が窓口に座って形だけ受け取ってやるよ」
「見つかったら一緒の墓に同じ名前で入れてあげたいとかそういうのやろ 可哀想や」
「預かるだけ預かったらええのに『お二人が無事来られるときまでお預かりします』」
などといったことが掲示板に書き込まれている。
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(リンク)
NHK NEWS WEB「知床 船上プロポーズ予定だった不明男性家族 婚姻届を代理提出」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220427/k10013601881000.html