テレビ東京系のドラマ「孤独のグルメ」。2022年10月7日から新作「孤独のグルメ season10」の放送が始まるとの話題で持ちきりの中、原作者・久住昌之さん(64)のtweetに賛同の声が集まっている。新聞社からインタビューの依頼があり、ギャラは無し。原稿の校正もできない、とのことだから断った。「宣伝してやるからインタビューをただでさせろ」という態度が「時代錯誤で非常識」とした。

新聞叩きが加速する結果となった

久住さんは9月16日、

「最近いくつかの新聞社から『孤独のグルメ』についてのインタビュー依頼があったけど『今回は無償で』とか『報酬と著者校正はございません』っていうので断る。『宣伝してやるからインタビューただでさせろ』っていうみたいな新聞社の態度は、時代錯誤で非常識」

とtweetした。これが17日午後2時までに1.7万件のリツイート、6.6万件のいいねが付き、ネットニュースにもなり大いにバズっている。

ここでポイントとなっているのが新聞社(日本新聞協会加盟社など)の「報酬と校正」、そして「宣伝してやる」だ。実はこの展開、1980年代のバブル期以降、度々議論が沸騰する。話題が出た当初は新聞の価値、企業としての評価、情報内容にそれほど不信は多く無かったものの、今やそれらは大失墜。久住さんのtweetに大きな拍手が送られ、新聞叩きが加速する結果となった。

新聞と週刊誌は「公器」と「娯楽」の違い

一般的に新聞社の編集部記者がインタビュー(取材)するとき、特別な場合を除きギャラが支払われることはない。校正どころか印刷前の原稿を取材先に見せることはない。これは週刊誌とは大きな違いで、週刊誌はタレコミや記事化の依頼をカネで買ったりする。その場合はゲラを取材先に見せたり、一緒に作る場合もある。有名人や、事件渦中の人へのインタビューにもギャラが出る。新聞社系の週刊誌と出版系の週刊誌では異なる部分もあるが、新聞社系の週刊誌は新聞の下位に位置される。というのも週刊誌は「大衆の娯楽」。新聞が求められているのは「社会の公器」であり、公正中立な正しい報道、とされている。そこにカネは絡められない。「買収」であり公正中立でなくなる危険があるからだ。新聞はこれまで、企業や団体が記事を書かせよう「広告宣伝」に使ってやろうとの「攻撃」に晒されて来た。新聞記者はその「罠」に嵌まるのを極端に嫌う。そして、自分の書く記事が「広告宣伝」になってしまうことを恥じる。

「取材はハッキリ断るしかないね」

そのため、

「宣伝してやるからインタビューただでさせろ」

と本当に言ったかは分からないが、そういう気持ちになる記者もいる。ところが、既に新聞社という企業の信頼や、発信する情報の信ぴょう性、新聞記者としての存在価値が相当下落した。だから「報道機関は広告ではなく金銭のやり取りはない」「取材報酬払ったら事実がネジ曲がる」「新聞が成り立つ経緯を考えてみては?」といった意見は、一笑に付されてしまった。ネットでは、

「報酬なしや著者校正なしでは、新聞社はやりたい放題でしょう」

「タダで仕入れた情報で記事を作りお金儲けをするなんてそんな卑しい話はない」

「『孤独のグルメ』を利用する街灯に集まった蛾みたいなものなのに、宣伝になるんだから無料で話をさせろとか、内容に干渉するなって、何様なんだろう」

「久住さんのように、ハッキリ断っていくしかないね。後は、勝手に取り上げたら、通知なしでいきなり裁判をしてしまう」

などといったことが掲示板に書き込まれている。

 

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(リンク)

久住昌之さんTwitter

https://twitter.com/qusumi/status/1570681491520385025