1分間の格闘技大会「Breaking Down」の第五回大会(2022年7月17日)に出場し、一躍人気者となった飯田将成選手(36)。元プロボクサーで、2011年3月13日の試合を最後にボクシング界から「追放」されている。そんな飯田選手に、信じられないことが起こった。「追放」後に初めて訪れたボクシングジム。そこには3人の元世界王者が待っていた。その一人、元WBA世界ライトフライ級王者の渡嘉敷勝男さん(62)から、「全国のボクサーが飯田君を応援している」とのエールを受けたのだ。
飯田選手とはどんな人物なのか。
1ラウンドで全てKO、中日本新人王を獲得
飯田選手は1986年1月23日生まれで岐阜県各務原市出身。身長は178cm、体重は79kg。地元の暴走族「鳳龍会」第6代総長で、喧嘩に明け暮れるなど札付きのワル。傷害事件で少年鑑別所に送られた。出所した20歳頃、元WBA世界ミニマム級王者の星野敬太郎さん(2021年10月没)に、「パンチ力がある」と誘われて「コパン星野敬太郎ボクシングジム」(各務原市)に所属。ボクシングは子供時代に好きで練習をしていた過去がある。星野さんとのマンツーマンで鍛え上げ、4カ月でプロテストに合格。デビュー後は4戦全て1ラウンドKO勝ち、中日本新人王を獲得。まさに期待の新人だった。ところが、11戦9勝(7KO)2敗、日本ランキング10位で迎えた中嶋裕介選手とのウエルター戦。ダウンを取られ3ラウンドTKO負けとなる。リング上で飯田選手はその判定に驚き、フラッシュダウン(ダメージが殆どなく何かの拍子に倒れる)と主張。星野さんも抗議をするなか、飯田選手はカッとなり、やってはいけない行為をしてしまう。
チャンピオンになりそして有名になる
頭に血が上りレフリーの体を押した。リングを降りると観客席のパイプ椅子を殴り倒した。その弾みで東日本大震災支援の案内板が倒れた。この一連の行為でボクサーライセンスの無期限停止処分を受ける。何としても復帰したいと奔走したが無理だった。その試合が最後。事実上のボクシング界「追放」となった。引退後は格闘技から離れられず、「武神ジム」(愛知県一宮市)を経営。ここではボクシング、キックボクシングのトレーナーをしている。そうしているうちに、自分はボクシングのチャンピオンを目指していた、それを叶えるのが人生の忘れ物、そういうことに気付く。
「とにかくチャンピオンベルトだったら何でもいいから欲しい」
独学で始めたのがキックボクシング。3年ほど鍛えた。今年5月28日に名古屋で開催されたアマチュアキックボクシング「BRIDGE」ヘビー級。1ラウンドKO勝利しチャンピオンになった。
元ボクサーが活躍しているのは嬉しい
「目標を達成したためこれで挑戦は辞めようという気はあったのですが、有名になりたい、という気持ちが残っていました。そんな時にちょうどBreaking Downがありまして、応募しました。実は１回落ちています」
とした。2回目の応募で出場が叶ったのが7月17日の第5回大会なのだそうだ。
そんな飯田選手、9月15日配信の「渡嘉敷勝男&竹原慎二&畑山隆則 公式チャンネル」と自身のYouTubeチャンネルに登場。ボクシング界を「追放」された男が、竹原さんと畑山さんの「T&Hジム」で、3人の元世界チャンプと対談するという信じられぬ展開。飯田選手は引退後、ボクシング関係者との繋がりは無くなり、他のジムを訪れるのも今回が初めてだった。そのため相当な緊張ぶり。特に自身のチャンネルでは言葉が出ずに呆然とするシーンも多々あった。一方の竹原さんは、今まで見たことが無いような終始ニッコニコな表情をしていた。
「嬉しいよね。元ボクサーで活躍しているっていうのは。ボクサーはね、負けちゃダメだよ。悲しいから」
とエールを送った。渡嘉敷さんは飯田選手の「Breaking Down」での活躍、そして名前が売れ注目されていることについて、
「ボクサーは全部、全国のボクサーが飯田君を応援していると思うよ」
と語った。
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(リンク)
渡嘉敷勝男&竹原慎二&畑山隆則 公式チャンネル「元ボクサー飯田将成にBREAKING DOWNの裏話を聞いた」
https://www.youtube.com/watch?v=DY6jDdlo9mM&t=248s
飯田将成「元世界チャンピオン達とコラボ」