「取材記者に比べれば楽ですよ。原稿は番組が用意してくれますし、それをなぞればいい。服だってスタイリストがいますから」
これは有名報道番組の元メインコメンテーターから直接話を聞いたもの。
報道番組、ワイドショーには初めからコンセプトが存在。シナリオに沿って番組が作られ、専門家のゲストも番組の意向で選ぶ。自由な討論のようでも、事前に何を語るかのチェックが入り、番組が要望するコメントが伝えられる。逆に、こうした管理をしなければ番組は成立しない。トラブルの発生で番組の存続危機に陥るからだ。だから「制作チーム」が存在する。当然ながら「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)の「デマ川徹」こと玉川徹氏(59)も同じだ。
コロナ報道で「噓つき玉川」も始まる
玉川氏が「デマ川徹」「噓つき玉川」と呼ばれ始めたのは2020年のコロナ報道から。とにかく発言がコロコロ変わる。強烈な韓国推し。4月に韓国の新規感染者が一ケタ台になり「K防疫(コリアン防疫)を見習え」と大絶賛。ところが21年末、韓国で新規感染者が爆発的に増えると、韓国批判を始めた。この時に囁かれたのが、
「韓国推しではなく、イデオロギー自体が無いのでは?」
さらに「噓つき玉川」と呼ばれたのは専門家の前で自説を展開すること。当然ながら本物の専門家に「そんなことはないと思います!」と一喝される。
取材メモの解釈が間違っていた
20年4月28日放送の「モーニングショー」、「そもそも総研」コーナーで、PCR検査による陽性者数が減っているという話題になり、
「土日の行政検査が休みになったからです。民間で検査をしたものの中から、感染者が39例ということなんですね」
と語った。土日の行政検査が休みだというのはスクープだ、と騒がれるたが嘘だった。翌日の同番組で謝罪が行われ、誤報に至った理由を語った。
「テレビ朝日の記者が都庁でのレクチャーを取材し、作成したメモの解釈が間違っていた」
つまり、玉川氏自身は取材・調査しておらず、原稿を読んだだけ(制作チームの指示に従っただけ)というもの。
「事実誤認のコメントで迷惑をかけた」
玉川氏は9月28日放送の同番組で、菅前首相の弔辞を「これこそが国葬の政治的意図」と指摘、
「当然これ、電通が入ってますからね」
と断定した。翌日、電通は全く関係がなかったと謝罪。テレビ朝日は10月4日、玉川徹氏を同日付で謹慎処分(出勤停止10日間)にした。謹慎の開けた19日、玉川氏はスタジオには入らなかった。別の場所から、
「事実誤認のコメントによりご迷惑をおかけした電通および菅前首相に対し、改めておわび申し上げます」
と謝罪。事実に基づかない発言をした理由は、
「私の慢心とおごりがあったから」
とした。そして、
「スタジオで様々なニュースに対しコメントを続けてきましたが、これからは現場に足を運び事実確認をして、報告する、その基本にもう一度立ち返るべきと考えました」
と語った。
テレ朝の正社員だからこそ、この処分
つまり電通発言は「台本」(または情報)があり、それを鵜呑みにして語ったという事。だからそれを恥じ、報道の原点に戻り、自分で取材し確認してから発信する、という事を言っている。玉川氏はテレビ朝日の正社員。正社員がメインコメンテーターを務めるのはテレビ界では稀(テレビ局側のコメントと取られるから)。今回の処分は正社員であるからこそ、一方的に責任が押し付けられる事になった。仮にフリーのコメンテーターだとしたら、不確定な情報は自分の身を守るため用心して語らない。仮に語ったとしても処分は番組のディレクター、制作チーム、取材記者を含めたものになる。玉川氏の今後だが、これまでのような月~金のレギュラーではない。さらに今後の出演も決まっていない。たまにレポーターとして番組に顔を出し、その後は番組から完全に消えることになるだろう。もともとはディレクターで正社員だからだ。
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(リンク)
テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー公式HP」