東京株式市場の日経平均株価が続落し、2022年1月26日は昨年来安値の2万7011円33銭となった。反発が予想された27日もさらに下落し、前日比841円03銭(3・11%)安の2万6170円30銭と、下げ幅は1月6日(844円)以来の大きさで、およそ1年2カ月ぶりの安値水準だった。
ネットでは、日本は海外投資家から見限られているのではないか、といった声が多く出ていて、それは岸田内閣の政策のせいとの批判から「岸田ショック」と呼ばれている。
「FOMC通過」で株価反発の予想だったが、、、
日経平均は2021年9月時点で3万円前後を推移していた。10、11、12月はそれから1000円以上下落していく。21年9月27日の高値が3万414円61銭、安値が3万197円40銭に対し、今年1月27日の高値は2万7193円59銭、安値が2万6044円52銭だった。つまり、岸田政権発足後(令和3年10月4日)から下がり続けているのだ。
下落の原因とされているのがアメリカの金融政策。2020年3月のコロナ危機でFRB(米連邦準備制度理事会)はゼロ金利政策、米国債当の買い入といった量的緩和を続けた。結果的に景気が回復し雇用も増えた。その量的緩和を今年3月で終了し量的引き締めに入ることをFRBが26日、連邦公開市場委員会(FOMC)を開いて決定した。「FOMC通過」と呼ぶが、これが通貨するまでに日経平均は下がり、決定後は反発する、というのが専門家の見方だった。ところが、決定後の27日も下落は止まらなかった。つまり下落は通過したかどうかではなく他の要因があるというわけだ。
中国への人権侵害非難を出さないのはなぜか
株価の下落は岸田政権発足後から始まり、今年1月になって加速度を増した。岸田政権そのものが海外投資家から見限られているのではないか、という想像がもっぱらだ。特に中国と日本企業との関係。アメリカは中国と取引のある日本企業の監視を続けていて、中国製の部品を使うなどの海外企業との取引を止めようとしている。岸田政権の政策は中国に忖度するものが多く、中国に対する人権侵害非難をいまだに出していない。欧米諸国では「日本は中国側ではないか」とする論評も出た。そんな日本の企業に、投資は難しいというわけだ。国内で岸田政権が打ち出したのは、住宅ローン減税の控除率を1.0%から0.7%に縮小、金融所得課税の増税、ガソリン税減税を凍結などのほか、「対立案件には手を付けない」という方針がある。入国管理法、スパイ防止法、敵基地攻撃能力など野党から強い反発を受けるものは審議を先延ばし。韓国から反発があることで「佐渡島の金山」のユネスコ世界文化遺産の推薦を先延ばしにした。
岸田がいる限り日本市場はオワコン?
Twitterでは1月27日に「岸田ショック」がトレンド急上昇した。とにかく株価が下がりそうなことしか目につかない、というのだ。
「ひとりのリーダーシップで景気回復はなかなか難しいですが、逆リーダーシップで株を大暴落させることは簡単なんですね」
「岸田がいる限り日本市場はオワコンですね。こうやって株価が落ちて、企業の信用が落ちて、設備投資が落ちて、収益が落ちる」
「これが世界の答え その新しい資本主義でなんで国民が増税負担しないといけないんだ 岸田文雄よ」
などといったツイートが投稿されている。
(リンク)
Yahoo!ファイナンス「日経平均株価」