「シャア専用」という名前が付くと、色は「赤」というのがファンの通説だった。ところが、ガンダムグッズの「本家」であるバンダイが販売した「シャア専用不織布マスク」の色は「黒」だった。バンダイは「シャア専用」の色が「赤」ということに、アンチテーゼを投げ掛けたのだろうか?
シャア・アズナブルの異名は「赤い彗星」
アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズ主要キャラのシャア・アズナブル。異名は「赤い彗星」。通常の三倍ものスピードで接近し敵戦艦を沈める様子が「赤い尾を引く彗星のようだ」として付けられた。さらに、シャアの搭乗する専用モビルスーツの色は赤系統。そのため赤はシャアのシンボルカラーとして定着した。「シャア専用」を謳う商品は数々生み出され、ソフトバンクのシャア専用ケータイ「913SH G TYPE-CHAR」(07年12月発売。新規契約時の価格が10万2720円)。トヨタが13年10月に販売した「シャア専用オーリス」(約273万~330万円)。セイコーの「プロスペックス 機動戦士ガンダム 40周年記念 シャア専用ザク 限定モデル」(19年4月発売。税抜き40万円)。パチンコ業界では20年8月にBistyが「シャア専用パチスロ 逆襲の赤い彗星」をリリースした。当然ながらいずれもシャアの赤を基調にしている。
そうしたなか、バンダイが8月30日に発売した「シャア専用不織布マスク」は、マスクの色が赤ではなく、黒だった。
「赤じゃなくて黒なんだwwwシャア専用なのに」
ネットでは、マスクのが黒だったことについて、
「赤じゃなくて黒なんだwwwシャア専用マスクなのにwwww」
「赤ベースに黄色でマークだろよぉ」
「ただの乗っかりビジネスじゃねーか」
「シャアのマスクは目だろ」
といった感想が出た。もちろん同商品は大人気で、
「シャア専用マスクを買いました。通常の量産型マスクの3倍のウイルス防御能力があるはず」
などと喜び、使わずに保存する、といった声も出て、Amazonでは売り切れ買えない状況にもなった。ではどうして赤ではなく黒なのか。
バンダイ「普段使いしやすくなるデザインです」
想像はいろいろある。シャアのあのよく知られたコスチュームの場合、口元が赤ではファッションバランスが悪くなる、というものや、バンダイの中に「シャア専用は赤」という固定概念を覆そうと思う勢力がいて、アンチテーゼを嚙ましたのではないか、というものまである。NNJニュースがバンダイに話を聞いたところ、9月13日に返答が返ってきた。同社広報は「日常での使用場面を想定した」とし、
「黒を基調としつつ象徴的なエンブレムをグレーとし、シックな色合いとデザイン性を両立させることで、普段使いしやすくなるようなデザインとしております」
ということだった。つまり、コロナ対策の中でキャラを際立たせるよりも、実用性を重視した、ということのようだ。この商品は5枚入りで、本体サイズW110×H215×D15mm、価格は税込み550円となっている。
(リンク)
「シャア専用不織布マスク」(バンダイ販売ページ)
https://bandai-lifestyle.jp/products/details.php?detail=4549660624707000