K-1 WORLD GPスーパーフェザー級元王者の武尊選手の緊急記者会見は、引退はせず、格闘家として今後も戦い続けること。そして、MMA(総合格闘技)参入をにおわせる「新しい目標」に向かって邁進していく、という宣言だった。
ところが報道は、病気に関するネガティブなものばかり。「無期限休養」など引退を発表したかのごとく、視聴者、読者に誤解されるものが目立つ。
これからも応援よろしくお願いします
確かに記者会見ではパニック障害、うつ病と診断され、腰の分離滑り症、膝の内側側副靱帯、前十字靱帯靱帯損傷など現在も苦しんでいる、と語った。ただし、海外に渡るなどし、心と体のコンディションを一回正常に戻して、新たなチャレンジをしたい、と語っている。記者会見後のTwitterへの投稿では、
「記者会見ありがとうございました。こういう決断が出来たのも試合の後にたくさんの人達から頂いた言葉のお陰です」
とした。「こういう決断」というのは、引退をせず、選手としてまた頑張って行くということ。続けて、
「新しい目標もあるので この期間に前向きな気持ちで自分自身と向き合って 病気や怪我を治して また元気な姿でみんなの前に戻ってきます。これからも応援よろしくお願いします」
とした。「この期間」というのは病気や怪我を治すための休養期間。「これからも応援」というのは、現在も現役の格闘家として存在しているという事。ところがメディア各社はこんな見出しで武尊選手を評した。
メディアは「引退」の呪縛から離れらない?
「『心が壊れていって…』武尊が無期限休養を発表 『分離すべり症』発症も」(テレ朝news)
「魔裟斗、武尊の怪我は『練習しながらは治らない』、心の病は『プレッシャー、休憩したほうがいい』」(イーファイト)
「武尊が無期限休養『パニック障害とうつ病と診断され』 肉体も悲鳴『腰が分離すべり症』」(日刊スポーツ)
「武尊 無期限休養 数年前からうつ病とパニック障害『復活する姿を見せることが次の戦い』」(デイリー)
「武尊 パニック障害、うつ病を公表し休養 ネットねぎらいの声『頑張り過ぎ』『試合をやり遂げた事が凄い』」(スポニチアネックス)
「『試合前は夜中に病院に運ばれたりしたこともあった』50億円を生んだ『THE MATCH 2022』で闘った武尊がうつ病とパニック障害を告白し無期限療養に伴うK-1王座返上」(バトルニュース)
そのため、こうした記事のコメント欄には「いままで有難うございました。ゆっくり休養してください」と、引退と勘違いしたものまで付いている。
「メディアはそんなに武尊を引退させたかったのか?」
といった疑問も出ている。どうしてこんなことになったのか。おそらくメディアの多くは引退発表だと決め付けていた。記者会見の場合は「予定稿」と呼ばれる原稿が用意されることが多い。ところが記者会見では現役続行と「新たな目標」が語られた。メディアは「引退」の呪縛から離れられず「無期限療養」ラインの報道に引き摺られてしまった。
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(リンク)
武尊選手Twitter
https://twitter.com/takerusegawa/
テレ朝news「『心が壊れていって…』武尊が無期限休養を発表 『分離すべり症』発症も」
https://news.tv-asahi.co.jp/news_sports
スポニチアネックス「武尊 パニック障害、うつ病を公表し休養 ネットねぎらいの声『頑張り過ぎ』『試合をやり遂げた事が凄い』」
https://www.sponichi.co.jp/battle/news/2022/06/27
/kiji/20220627s00003000485000c.html
日刊スポーツ「武尊が無期限休養『パニック障害とうつ病と診断され』 肉体も悲鳴『腰が分離すべり症』」