兵庫県尼崎市46万人市民の全個人情報紛失問題。いろいろトンデモなことが分かってきた。業務を受託された情報システム大手「BIPROGY(ビプロジー)」が2022年6月26日に会見を開き、情報が入ったUSBを紛失したのは委託会社の社員としていたが、その委託会社が再委託した先の社員だと訂正した。

この会社、IT大手と紹介されているが、馴染みのない社名。そのためこんな不祥事が、との声がネットで挙がったが、なんとビプロジー、旧社名は「日本ユニシス」だった。

ビプロジー社は聞き慣れない、何の会社?

今回の騒動は尼崎市がコロナ禍で困窮する市民への臨時特別給付金作業を業者に委託し起こった。それがビプロジー。同社の委託先社員が全市民の口座情報なども入った USBメモリを市から持ち出し、会社に戻りデータの移管作業を完了。午後7時頃から居酒屋で3時間ほど酒を飲み、路上で寝てしまった。朝方に起きると、データを消去していないUSBメモリを入れたカバンが無い。会社に休暇届けを出し探し回るも見つからず、警察に届けた。尼崎市は6月23日に謝罪会見を開く。その後カバンとUSBは、寝ていた路上近くのマンションの入り口付近で見つかった。どんな会社の社員の仕業だと話題になる中、聞き慣れない社名が出てきた。得体のしれない会社に委託するからこんな不祥事が起きる、との声も出た。

「ジャパネットたかた」の顧客情報流出

ビプロジーは26日に会見を開き、USBを紛失したのは協力会社の社員、とこれまで説明していたが、そうではなく、その協力会社がさらに委託した会社の社員だった、と訂正した。この会見を機に、明らかになったことがもう一つある。ビプロジーの旧社名は「日本ユニシス」。今年4月1日に社名を変更したばかりだった。1988年から34年間使い続けた社名をなぜ変更したのか。

同社はもともと米ユニシス(Unisys)社と三井物産の合弁会社。米ユニシス社との資本関係は2006年に解消されている。それでも日本ユニシスの社名は知れ渡っており使用を続けてきたが、グローバルに打って出るためには「日本」そして「ユニシス」はそぐわない、と変更することとした。「ビプロジー」とは光が屈折・反射したときに見える7色(Blue、Indigo、Purple、Red、Orange、Green、Yellow)の頭文字を使った造語だそうだ。日本ユニシスの不祥事といえば、通販大手「ジャパネットたかた」の顧客情報約50万人分の漏えい事件(2004年3月)などがある。尼崎市の稲村和美市長(49)は27日、報道陣に対し、ビプロジーに委託したのに知らない2社がデータの移管に関わったこと。またUSBメモリーの持ち出しは許可していなかった。「契約違反だ」と述べ、損害賠償を請求する考えを示した。

 

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(リンク)

BIPROGY(ビプロジー)公式HP

https://www.biprogy.com/