ガンダムシリーズ「Gのレコンギスタ Ⅲ」が絶賛上映中の富野由悠季監督(79)は、「余命があるうちに」あと1、2本の新作を目指したいという。その新作を作るにあたり既存のアニメ映画監督から学ぶものはあるのかと聞かれ、「敵だから学びたくない」と語った。ところが「今日観てきた」映画に、ある閃きを感じたのだという。それは大ヒットアニメ「鬼滅の刃」の「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」。富野監督は「教わりたいな」と語った。
「あの宮崎・・・あの野郎!って」
富野監督が出演したのは、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」(2021年7月24日放送)。番組では、富野監督と宮崎駿監督(80)が同じ1941年生まれであることを紹介。2人は現代の日本テレビアニメ創世記からの付き合いで、「アルプスの少女ハイジ」「未来少年コナン」など同じ現場にいた。関係を聞かれると富野監督は、顔を合わす機会は多かったが、会話を交わすことは殆どなかったし、「一切コンタクトはありません」とした。理由は、
「奴は敵だ!と思って」
とした。同じ現場で働き、富野監督が絵コンテを切り、それを宮崎監督がチェックする。アニメが完成しオンエアーを見ると、自分のコンテが採用されていない。
「あの宮崎・・・あの野郎!って」
それで、どうすれば宮崎監督を唸らせるコンテを切れるかをムキになって考えた。
「それは今から思うと、とても楽しかった。つまり、才能に触れるって、そういうことなんですよ」
現在劇場公開中の「竜とそばかすの姫」の細田守監督(53)、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の庵野秀明監督(61)についても、
「細田から教わりたいとは思わない。あいつは敵だから」
「あいつ(庵野監督)からも学びたくない、っていうくらい嫉妬心メラメラなんです」
と笑った。
「自分も女を立たせる物語を作りたいな」
富野監督はこの2人の監督の新作映画どころか、この頃は劇場作品そのものを観ていないのだそうだ。それではマズイと思い、「今日」1つの作品を観てきて、このインタビューに答えているのだという。それが「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」。
「『鬼滅』的なものから教えられるものは、教わりたいな」
と語った。それは主人公の妹でヒロイン、竈門禰豆子の存在。禰豆子のキャラクターが確固たるものになっているため、どのような出来事が起こってもそこに吸収され安定が保たれる。
「妹が命なんですよ、あの作品は。あれは『女性の映画』でしょうと。自分も女を立たせる物語を作りたいな」
(リンク)
TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」公式HP
「Gのレコンギスタ Ⅲ」