また飲食宅配代行サービス「Uber Eats(ウーバーイーツ)」配達員とピックアップ(テイクアウト)店とのトラブルだ。注文した料理と違うものを渡され「違うと」言ったら、店員に胸を思いっきり押され暴行された。そして警察の出動となった。
配達員はこの件でビジネスパートナーとして理解し合い、関係改善するきっかけになればいい、としている。配達員達が悪質な店を摘発、啓蒙に立ち上がったとも見える。ところが、Uber Eatsの労働組合に話を聞くと、全く違っていた。彼らは「炎上商法」のようなことをしている「迷惑な存在」なのだという。
Uber等配達員の強さ、怖さを企業は理解すべき
今回の騒動はTwitterネーム「東京Uber Eats配達員」さんの告発で明らかになった。大手ラーメンチェーン店に商品を受け取りに行ったところ、「2分でできる」と言ったのに散々待たされたあげく違った商品渡してきた。違う、と言ったら、
「店員に胸をおもいっきり押されて、暴行された。その店員に顔を2センチくらいまで近づけられ【裏こいおまえ】て威圧されたんで警察に通報」
「是非、拡散してください。よろしくお願いします」(2021年4月17日tweet)
とし、駆け付けたパトカーの写真をアップした。警察到着後その店舗の店長、エリアマネージャーが来て謝罪を受けたが、店の本社からは連絡が来ていない。本社に対し「配達員と良きビジネスパートナーになりませんか」と提案する。お互いが理解し合い、学び、改善できれば今回の騒動はWin-Winで幸せになる、とtweetした。
また19日には、
「Uber等の配達員【個人事業主の潜在的な強さ/怖さ】てのを、Uber Eatsを利用する企業様はいいかげん理解したほうがいいですよ Uber等配達員と戦ったら【100%企業が負けますよ。莫大な損失をかぶりますよ】」
とtweetしている。
前回の騒動は「めざましテレビ」に売り込んでいる
この手の騒動は21年4月13日放送のフジテレビ系情報番組「めざましテレビ」でも紹介された。Uber Eats配達員が自ら「店舗から暴力と脅迫をうけた動画があります」と売り込んだものだ*(NNJニュース「ラーメン店主のUber Eats恫喝・殴打騒動、配達員自身が番組に売り込み『攻撃』継続中」15日配信)。そして配達員は、15日、Twitterで、
「私以外の配達員の方がこの店舗から不快な思いを受ける事が二度とないように店の名前を公開させていただきます」
とし、店員とのやり取りの動画と店名を公開した。
こうしてみると、Uber Eats配達員が「世直し」のため立ち上がり、取引店との健全な関係作りに努力している、ようにも見える。
「ユニオンとしてはやめていただきたい」
NNJニュースはこうした配達員達の動きはどんな意図があるのか、労働組合の「ウーバーイーツユニオン(UberEatsUnion)」に話を聞いてみた。すると思いもよらない回答が返ってきた。
現在話題になっている配達員個々の「目的」は分からないが、さまざまな配達員のツイートを見ていると、一部の配達員に承認欲求の強い人がいる。
「一種の炎上商法の類ではないかと思います」
というのだ。つまり、トラブルがあったことをSNSで発信し、さらにメディアに取り上げてもらうことで自慢、武勇伝にするということだ。根拠としては、騒いでいるだけでトラブルの解決方法や回避方法を発信しているわけではない、からだという。
「メディアが取り上げることで、類似の事件が増えるだけですので、ユニオンとしてはやめていただきたいとは思っております」
と配達員の行動をきっぱりと否定した。
(リンク)
Twitter「東京Uber Eats配達員」
https://twitter.com/UberEat03519230
「ウーバーイーツユニオン(UberEatsUnion)」公式HP
https://www.ubereatsunion.org/
NNJニュース「ラーメン店主のUber Eats恫喝・殴打騒動、配達員自身が番組に売り込み『攻撃』継続中」