愛知県のスーパーが万引きを3割減らすことに成功した、との記事を朝日新聞がネット配信した。しかし、万引きを減らす「秘策」と「万引き防止アイテム」を複数枚の写真とともに詳しく紹介したため、「これは報道するべきじゃないだろ 馬鹿なの?」といった批判がネット上に出ることとなった。

半年間の万引き被害額が30・7%減少した

その記事は2021年6月25日に配信した「『謎の言葉』で万引き3割減 警部が店に仕掛けた秘策」というタイトル。内容は愛知県常滑市の大型スーパー「ベイシアフードセンター常滑店」が万引き被害に悩んでいて、県警常滑署生活安全課長の中川元宏警部が「仕掛学」で知られる大阪大の松村真宏教授に相談。万引きを思い止まらせる仕掛けを作った、というもの。その結果、

「昨年9月から半年間の万引き被害額が、前年同期比で30・7%減少した」

となった。さらにその「秘策」を詳しく紹介。使われた「万引き防止アイテム」を複数枚の写真で公開した。これに対しネット上で、「これは報道するべきじゃない」との批判が起きたのだ。

「自分の飯の種にすることしか関心がないのか」

Twitterや掲示板には、

「それをニュースにしたら、秘策もクソもなくね?」

「アカピ新聞は犯罪者の皆さんを支援します!」

「朝日の記事が原因で万引きが3割増、まで読んだ」

「マスコミって犯罪の手口も防止策の中身も嬉しそうに報道するけど、どう考えても公益性ないと思うんだけど」

などといったことが書きこまれた。一方で、これは既に古い「秘策」であり、今は新しい展開をしているはずだから問題がない、

「報道されて困るなら取材受けてないわな」

といったものもある。

こうした反応について朝日新聞記者の田中恭太さんはTwitterで、

「記事にしたら効果がないのでは、というコメントをいくつか頂きました。新聞はもはや読まれていないと言われるなか、ありがたい話です。さておき、施策の狙いは『防犯カメラなどの対策に気付かせて、思いとどまらせる』とのこと。せっかく導入している高価な機材の有効性を高めるのが目的のようですね」

と26日に説明した。このtweetに対して、

「だから記事にすること自体が迷惑だと言われてるんだろ。自分の飯の種にすることしか関心がないのか」

というリプが付いている。

 

(リンク)

朝日新聞「「『謎の言葉』で万引き3割減 警部が店に仕掛けた秘策」

https://digital.asahi.com/articles/ASP6S5GVLP6SOIPE01F.html?pn=8

 

田中恭太朝日新聞記者のtweet

https://twitter.com/kyota_tanaka/status/1408437761665683463