北海道新聞の女性記者(22)が立ち入を禁止していた旭川医科大学の構内に侵入し、学長解任の会議を取材していたところ、職員に発見され建造物侵入の疑いで逮捕された問題。
新聞などメディアの同業者から「逮捕はおかしい」「記者根性を潰すな」「報道の自由の危機」といった女性記者擁護の声が挙がっていた。
ところが、逮捕されて当然だったことが分かった。女性記者は会議内容を盗聴録音していて、職員が発見し、誰なのか?何をやっているのか?を聞いたところ、それに答えず逃げ出したというのだ。
「記者根性」「報道の自由」は関係がなかった
事件が起こったのは2021年6月22日午後4時30分ごろ。大学構内では学長解任の会議が行われていた。同大学は新型コロナ感染防止のため学外者の立ち入りを禁止にしていて、報道各社に午後3時50分ごろファックスでその旨を伝えるとともに、午後6時ごろから記者団の取材を受ける、としていた。ところがそうした通達を破り、道新の女性記者が構内に侵入。発見した大学職員に「取り押さえられ」警察に引き渡された、というもの。また後にこの女性記者は会議の内容を盗聴録音していたことも分かった。
明らかな違法行為であり決してやってはいけないことだが、報道関係者の中に首を捻る人が出たのだ。入ってはいけない場所にこっそりと侵入し取材したり、会議の内容を会議室の外から盗み聞いたり録音するのは珍しい事ではない。例え罰則を受けても「記者根性だ」と褒められる場合もある。しかも今回は大学の構内。女性記者の取材先だとすれば取材を受ける側との「人間関係」が出来ている場合もある。そこで逮捕されたわけだから、「逮捕はおかしい」「記者根性を潰すな」「報道の自由の危機」といった女性記者擁護の声が挙がるのも分からないわけではない。ところが決定的な逮捕の理由が出てしまった。
「女性記者と対面し身分や目的を聞いたら、、、」
職員は女性記者を発見し、誰なのか?何をやっているのか?を聞いたところ、それに答えず逃げたのだ。
NNJニュースは旭川医科大に対し、なぜ職員が「取り押さえ」た後に警察に引き渡さなければならなかったのか、取材を申し込んだところ、25日に同大広報基金係からメールで回答が返ってきた。そこにはこう書かれている。
「職員が会議室の外へ出ようとしたところ、出入口扉の隙間から会議内容を録音していた者と対面しました。そこで、その場で身分や目的を問いましたが、明確な返答がなく逃げ去ろうとしたため、学外者が無許可で建物内に侵入していると判断し警察へ連絡したものです」
おそらくだが、この女性記者が「道新の〇〇です。会議を聞いておりました」とその場で謝罪し、逃げなければ、逮捕まで行く可能性は極めて少なかったはずだ。
(リンク)
旭川医科大学HP
https://www.asahikawa-med.ac.jp/
北海道新聞HP