埼玉県で2021年10月1日に全国で初めて「エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」が施行され、「立ち止まった状態」でエスカレーター、動く歩道を利用しなければならなくなる。もともと足で登ったり下りたりしてはいけない設定になっていて、人との接触や転倒、転落事故を防ぐことを目的にしている。罰則はないが、ネットでは不満の声が噴出している。

「『走らないと駄目なの?』と勘違いしてしまった」

埼玉県の条例によれば、エスカレーター(動く歩道を含む)の安全利用の促進のため、「立ち止まった状態」で利用しなければならない。県民はこれを自主的、積極的に行うように努めねばならない。管理者は「立ち止まった状態」利用すべきことを周知しなければならない。知事は管理者に対し、必要な指導、助言及び勧告をすることができる、となっている。ただし罰則規定は無い。

エスカレーターで立ち止まる呼びかけは、鉄道会社や業界団体などがここ数年意欲的に行っていたが、自治体の条例施行は初めてだ。ネットでは「これで安心」と喜ぶ人はいるのだが、反発の声が大きい。というのも、急がなければならない事態は誰にでも起こりうる事であり、時間が迫る中でじっと立っているのは苦痛だ。反射的に上り下りしてしまう。片側に立って通り道を開け、急いでいる人を通すのは思いやりである。何十年も続き定着した合理的なルールだ、といった理由からだ。ネットでは、

「まあ無理だろうな かえって危ないわ」

「実際に立ち止まっていたら背後からどつかれるのが関の山」

「一瞬『走らないと駄目なの?』と勘違いしてしまった」

「ガラガラなのに隣に立たれたらちょっとした恐怖だな」

「要は、エスカレーターのスピード上げてくれりゃ文句ないんだよ」

などといった事が掲示板に書き込まれている。

 

(リンク)

埼玉県「エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」

https://www.pref.saitama.lg.jp/a0310/escalator.html