中国を「好ましくない(unfavorable)」とする日本人は88%で今年もダントツの世界1位だった。「好ましい(favorable)」は10%だった。米シンクタンク大手のピュー・リサーチ・センター(PRC)が2021年6月29日に発表した。大多数の国が中国に対し否定的で、2018年以降、フランス、ドイツ、スウェーデン、オーストラリア、カナダ、英国などの国で「嫌悪感」が大幅に上昇している。
オーストラリアは32%から78%に上昇
同調査によれば、中国に対して「好ましくない」と否定的な国のトップ5は、日本の88%、スウェーデン80%、オーストラリア78%、韓国77%、アメリカ76%だった。このトップ5で「好ましい」としたのは順に10%、18%、21%、22%、20%だった。これは同センターが今年2月から5月にかけ、先進17カ国・地域の成人約1万8900人に調査したもの。調査は毎年行われており、02年以降、中国に否定的なのは日本が常にダントツでトップ。今年の調査で特徴的なのは中国に対する各国の「嫌悪感」が拡大している点。「好ましい」が「好ましくない」を上回ったのはシンガポールとギリシャのみだった。
2017年と2021年を比較すると、オーストラリアは「好ましくない」が32%から78%に上昇。スウェーデンは48%から80%に。英国は37%から63%。韓国61%から77%。フランス52%から66%、カナダ40%から73%、ニュージーランド42%から72%、ドイツ53%から71%となっている。
習近平国家主席の否定は「歴史的な最高値」
中国に対する「嫌悪感」が大幅に上昇した理由は人権問題。
「中国が国民の個人的自由を尊重していると考える人は世界にほとんどいない」
と同調査は報告。シンガポールですら60%が自由を尊重していないと回答した。また、習近平国家主席への評価について、
「否定的な評価が調査した殆どの国で、歴史的な最高値またはそれ近くになった」
としている。
経済関係では、殆どの先進国が、中国よりも米国との関係が重要だとしている。特にオーストラリア、カナダ、日本、韓国は近年その傾向が大幅に高まっている。シンガポールとニュージーランドのみ、中国との関係が米国と同じくらい重要だ、と回答している。
一方で、中国の新型コロナウイルス対策の評価は高まっていて、昨年調査と比較しベルギー、スペイン、オランダなどは少なくとも15ポイント上昇。中央値では「うまく対処している」が49%で、「対処していない」の43%を上回った。
「日本だけが中国よりも米国の対処が優れていると褒め称えている」
と書いている。
(リンク)
ピュー・リサーチ・センター調査
「Large Majorities Say China Does Not Respect the Personal Freedoms of Its People」
https://www.pewresearch.org/global/2021/06/30/large