ネスレの麦芽飲料「ミロ」。ココア風味で子供のころ「強い子のミロ」のキャッチフレーズと共に親に飲ませてもらった人も多い。それが何故か店頭から消え、通販でも買えない状態が続いている。

売れ過ぎて生産が追い付かないということで、オークションサイトやネットショップでは通常の5倍もの値段で取引されている。どうしてそんなことになってしまったのか。

 

大変申し訳ございませんが今しばらくお待ち願います

 

ネスレ日本の公式HP、ミロの通信販売ページには2020年11月10日現在、こうした告知がされている。

「現在、『ネスレ ミロ オリジナル 240g』が品薄状態のためお買い求めいただけません。2020年11月中旬ごろに販売再開予定です。大変申し訳ございませんが、今しばらくお待ち願います」

それはスーパーなどの店頭でもそうで、ネット上には、

「いろんな店に行ったけど全部品切れで買えなかった」

といった悲鳴が上がっている。そうした人々の多くは子供を持つお母さん方で、

「買い置きしているのがまだあるから大丈夫」

と余裕を見せているのは独身女性のようだ。

品切れになると活発化するのがオークションサイトやネットショップ。通常は240gの一袋の店頭価格は300円前後だが、「楽天」のショップでは10日現在、二袋で3289円(税込み)と5倍もの値段が付いている。

 

ミロは麦芽飲料で、ココア、脱脂粉乳、各種ミネラル、ビタミンなどが入っている。子供の発育と、妊娠時の女性にいいとして日本では1973年よりネスレ日本が販売してきたお馴染みの商品。それが「爆売れ」するのはあるきっかけがあった。

それはコスプレイヤーの橘恋さんが今年の8月4日にツイッターに書いたこんな文章だ。

「毎朝ミロを飲み始めて1か月、寝起きが爆裂良くなり、24時間常に疲れてだるかった身体が軽くなり、趣味すらやる気が起きなくて鬱々してた気分がスッキリ爽快!一個でも当てはまるひと嘘だと思って試してみて欲しい〜!ありがとうネスレ!ありがとうツイッター!」

これが9.2万の「いいね」と、3.2万のリツイートとなり「女性」のユーザーに火が付いた。

 

10月に入ると気温が下がりホットの需要が出てきた

 

特に鉄分不足を心配したり、鉄分を摂取するサプリメントに持っている人に好評で、「品切れ」が起こる状態となった。ただし、9月を過ぎると落ち着きを見せ普通に変える状態に戻ったのだが、10月下旬になるとまた「品切れ」が起こる。

「最近スーパーからミロが消えた!子供達は毎朝飲んでたので困ってます」

「ミロの袋探して、お店はしごしました。結局見つからなかった」

「ミロいつも売り切れ状態」

などといった悲鳴が上がることになった。

 

どうしてなのか。

それはSNSで盛り上がった時期は真夏だったからだ。冷たい牛乳で溶かしたり、アイスココアのようにして飲んでいた。それが10月に入ると気温が下がり、ホットで飲む需要が出てきた。

「冬なら牛乳ごと温めるのがおすすめだよー!冷たいままだと結構溶け残るよね」

「温もりを感じたいじゃない」

「うちの3歳児も毎朝ホットで飲んでます」

というのが11月10日にネットに出ている感想だ。ホットコーヒーの代わりにミロを飲むつもりだ、とか、

「主人が久しぶりにミロを飲みたいと言っている」

というのもある。

つまりSNSで盛り上がった波が季節を跨いでまたやってきた、ということになる。マレーシアでミロは「国民的飲料」として愛されているが、今回の日本でのブームはいつまで続くのだろうか。

 

(リンク)

ネスレ「ミロ」公式HP

https://shop.nestle.jp/front/contents/food/