映画化、二度のテレビアニメ化もされた大人気漫画「ベルセルク」の漫画家、三浦建太郎さんが2021年5月6日午後2時48分、急性大動脈解離のため亡くなったと白泉社が公式サイトで伝えた。54歳だった。

急性大動脈解離は過去に経験したことのないような激烈な痛みが伴い、ショック死する場合もあるのだという。

いつも楽しそうな少年のような方

白泉社は20日、

「皆様には、三浦先生の作品をご愛読いただきましたことを深謝いたしますとともに、謹んでご逝去のご報告をお知らせ申し上げます」

と三浦さんのご逝去を報告した。

ヤングアニマル編集部は、
「この受けいれがたい事実をどのように捉えたらいいのか。正直、言葉が見つかりません。思い出されるのは、編集部の人間に会うと、いつも朗らかにご自分の好きな漫画やアニメ、映画の話などを楽しく語っていた時の笑顔ばかりです。我々は三浦先生の怒った顔を見たことがありません。いつも楽しそうな少年のような方でした」

と振り返った。

代表作の「ベルセルク」は1989年に連載がスタート。ダークファンタジーと言われるジャンルで、主人公のガッツが元人間の超存在「ゴッド・ハンド」を探し倒す旅に出るというストーリーだ。コミックスの累計が4000万部を超える人気作で、現在40巻まで出版されているが未完となってしまった。

前兆となる症状はなくいきなり発症

しかし、その世界観が壮大で連載から30年以上経っても完結せず、途中で休筆もありファンをやきもきさせた。「富樫病」などと揶揄するファンもいたが、細密に描き込まれた作画と圧倒的な存在力に「気長にいつまでも続きを待っている」とするファンが世界に存在した。

休載が続くと「富樫病」の他に言われたのか「体が弱いのでは?」だった。三浦さんの死因として発表された急性大動脈解離と何か関係があるのだろうか。

急性大動脈解離を解説するサイトによれば、病気の前兆となるような症状はなくいきなり発症する。高血圧、喫煙、飲酒、過度のストレスも関係するとされるが、生活習慣を整えることが重要という。心臓から全身に血液を送る太い動脈(大動脈)は3層構造になっていて、何らかの原因で大動脈の内膜に傷ができると、傷から大動脈中膜の層の中へと血液が流れ込み、血圧によって大動脈壁がバリバリと裂け、さらにそこへ血液が流れ込む。過去に経験したことのないような激烈な痛みが胸背部痛を襲い、ショック死(突然死)する場合もある。

 

(リンク)

白泉社公式HP「訃報 三浦建太郎先生が逝去されました」

https://www.hakusensha.co.jp/information/60696/

 

急性大動脈解離(社会医療法人 三栄会 ツカザキ病院)

https://www.tsukazaki-hp.jp/care

/cardiovascular/disease/acuteaorta