低糖質ダイエット、低炭水化物ダイエットなど健康志向や痩身への関心の高まりから注目されていた「糖質カット炊飯器」。利用者から「血糖値に変化がない」といった苦情を受けた国民生活センターが調査をし、その結果を3月15日に発表した。
「最大54%の糖質カット」の謳い文句があるなか、コメが水分で膨らみ重くなるだけ。炊いたコメの全量で見れば糖質の総量は大差が無いことが分かった。国民生活センターは「景品表示法違反の疑いがある」と結論付けた。
使用しても血糖値に全く変化がない
糖質カット炊飯器の仕組みは様々だが、一般的には炊飯中に炊き汁を内窯から取り出し糖質(炭水化物)を減らすというもの。「糖質最大54%OFF」「糖質カット最大33%」として売り出すメーカーもある。ところが国民生活センターにこんな苦情が寄せられたのだという。
「本当に糖質が表示している程度、カットされるのか知りたい。私は糖尿病なので心配だ」
「5日前に届いて使用しているが、1日3回測っている血糖値に全く変化がない」
「説明書どおりに米を炊いたが、お粥だった」
まず同センターは、香港消費者委員会が2021年6月に調査した結果を表示した。9銘柄を調べたところ、100g に含まれる糖質は5銘柄で約 10~45%低減、3銘柄で10%以下の低減、1銘柄はむしろ増えていた。ただ、同じ量の米のごはん全量に含まれる糖質の総量に有意な差はなかった。45%減となったごはんの水分量は通常炊飯のごはんの約 32%増。「100g 当たりの糖質量が低減したようにみえるだけ」
というもの。同センターの実験でも同様だった。
食べるごはん量に注意しましょう
同センターが用意したのは6銘柄。ただし、1銘柄はウエブサイトが無く、取扱説明にも書糖質低減率に関する記載がないため、実質5銘柄の調査となった。テストの結果としては、すべての銘柄で「糖質カット炊飯」のごはん 100g 当たりの糖質の割合は約1~3割低かった。ただし、100g 当たりの水分量は約1~2割多かった。そして、
「通常の炊飯より重量が約1~3割増加しますが、その中に含まれる糖質(でん粉)の総量には大きな差はみられませんでした」
とし、
「摂取する糖質の量に大きな差はみられませんので、糖質を低減できるとうたった電気炊飯器を使用する際は、食べるごはんの量に注意するようにしましょう」
と結論付けた。この6銘柄のうちの一つが「アイリスオーヤマ」の炊飯器。同社は「10%」「20%」の低減率モードとしていた。しかし中には「最大54%OFF」「最大33%カット」というものがあり、現実とかけ離れている。
「これらは景品表示法上問題となるおそれ があると考えられます」
とした。
調査した6機種は全て中国製
この調査は検体購入が2022年10月~11月。テスト期間は2022年11月~2023年1月。機種はAINX「糖質カット炊飯器 AX-RC3」、アイリスオーヤマ「IHジャー炊飯器(ヘルシーサポート炊飯器) 5.5合 RC-IJH50」、ウィナーズ「ヘルシーライスクッカー RHR-1」、ソウイジャパン「糖質カット炊飯器 SY-138」、forty-four「LOCABO JM-C20E」、ベルソス「糖質カット炊飯器 VS-HI01BE」。最後の「ベルソス」はウエブサイト、取扱説明に書糖質低減率に関する記載が無かった。6機種全て中国製だった。
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(リンク)
国民生活センター「糖質を低減できるとうたった電気炊飯器の実際」
https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20230315_1.pdf
楽天市場「最大54%糖質カット」