日本全国の温泉地域活性化プロジェクト「温泉むすめ」のキャラクターが、「性差別で性搾取だ」とフェミニストたちが大声を上げている。このプロジェクトはスタートしてから4年ほど経過していて、こうした騒ぎになるのは初めてだという。後援をしている観光庁には電話が殺到。プロジェクトを辞めさせろ、ということだけでなく、「フェミの攻撃に屈しないで」という訴えも多数あるそうだ。
夜這い、スカートめくり、飲酒する美少女キャラ
「温泉むすめ」プロジェクトは2016年11月4日に発表されSNSが立ち上がった。運営はエンバウンド(東京都渋谷区)で、内閣府からクールジャパン企業に選ばれ、全国の温泉地をモチーフとした二次元キャラクターを制作した。19年6月からは観光庁後援のプロジェクトに格上げされた。2021年10月1日現在、全47都道府県と台湾に122人の温泉むすめとナビキャラクター2人がいる。キャラは各温泉地のポスターや立て看板に登場するだけでなくコミック、ノベル、ゲーム、アニメなどメディア展開をし、キャラを演じる声優による音楽CD発売、コンサートも行われている。
今回の騒動の発端は、フェミニストとして知られるColabo代表の仁藤夢乃さん(31)のtweetだ。11月15日、
「出張先で『温泉むすめ』のパネルを見て、なんでこんなものを置いているのと思って調べたらひどい。スカートめくりキャラ、夜這いを期待、肉感がありセクシー、ワインを飲む中学生、『癒しの看護』キャラ、セクシーな『大人の女性』に憧れる中学生など。性差別で性搾取」
と呟いたこと。これが拡散し、いわゆるセクシーに描かれた美少女キャラは「幼女の性搾取」、を主張するフェミニストと呼ばれる人たちに火をつけた。
後援企業の名前が公式HPから消える
いつもと異なるのは、セクシーなキャラを批判しているだけではなく、キャラのプロフィールが酷いというもの。温泉地キャラだからかは分からないが、鹿児島のキャラは女子高生設定なのにお酒を飲んで酔っている。石川のキャラも高校生なのに酒好き。山形のキャラは「今日こそは夜這いがあるかも」とドキドキしている。北海道のキャラの特技は「スカートめくり」、などだ。こうしたプロフィールは11月16日までに変更、削除された。この変更についてエンバウンドから何の説明もなかったため、また批判が起きた。さらに、同社HPにプロジェクトの後援企業が10社ほど紹介されていたが、それが観光庁を残し全て無くなった。果たして今後どうなって行くのか。NNJニュースは17日午後にエンバウンドに問い合わせてみたが、
「マスコミの取材には一切お答えしておりません」
ということだった。観光庁はNNJニュースに対し、16日頃からこの件に関する電話が相当数来ていると明かした。それまでは「温泉むすめ」への苦情があった記憶は無いという。電話の内容は、このプロジェクトはけしからんとの批判だけでなく、「フェミの攻撃に屈しないで」という観光庁への応援メッセージが多い事。
「多様な意見が寄せられています」
とした。そして、
「今は何も決まっていませんが、これからどう対応するかを協議することになると思います」
と担当者は語っていた。
(リンク)
エンバウンド公式HP「温泉むすめプロジェクトについて」