RIZINはシバターと久保選手の八百長を知っていた　交渉権は久保選手　2人が「処分無し」になった背景

格闘技イベントRIZINの榊原信行CEO(58)が公式YouTubeチャンネルを2022年1月11日に更新し、昨年大晦日のYouTuberシバター(36)と元K-1王者の久保優太選手(34)の八百長と騒がれた試合について語った。

RIZINもこの八百長に絡んでいるのでは、というのが最大のポイントだったが、榊原CEOは、シバターから話を持ち掛けられたことを久保陣営から聞いていた、とした。しかしこれが事実となれば話が滅茶苦茶ややこしくなる。RIZINはそれを容認したのか？2人とRIZINの関係は？そして、今回の関係者の誰かが嘘をついていることになる。

選手間のコミュニケーション禁止規約はない

榊原CEOはシバターを「炎上系YouTuber」としてリングに上げた、とした。本人はスポーツマンシップに則る気などさらさらなく、どれだけバズらせるか、炎上させるかに知恵を絞る。久保選手に対し、自分は体が悪く「1ラウンドは顔面にパンチを入れずに手を抜いて流して欲しい。2ラウンドは真剣勝負をするが、そのほうが視聴率的にも美味しい」と台本を作り、信じた久保選手に1ラウンド1本勝ちをした。

「シバターの戦術は正直、品性下劣だしモラルハザード。ただしスポーツは正々堂々だけではない。ルールのギリギリ、契約のギリギリを突く。なんとか勝つために手段を選ばず『汚い手を使いやがって』というのはこれまでも、シバターとは手法は違ってもありました」

とした。その戦術に久保選手だけではなくRIZINも一本取られた。しかし、選手同士でコミュニケーションを取ってはいけないという規約がRIZINにはなく、試合は八百長でも台本でもなくリアルファイトで2人は戦った。

「彼らを処分する考えは全くない」

シバタ―と久保選手を受け入れたのは自分たちだ。受け入れた以上、切り捨てることも一方的に責任を押し付けることもできない、というのが理由だった。そして2人の八百長を知っていたかの話になる。まず、榊原CEOは今回の試合は八百長ではなく、RIZIN史上一度も八百長は存在しないとした。

「手加減せずにやります、と言ってました」

榊原CEOは、シバターが久保選手と連絡を取った直後に久保陣営からRIZINに連絡があった、と打ち明けた。

「体調が悪い、試合に出るか迷っていると言うけれども、自分はシバターさんの話を聞いたふりをして、試合を成立させて、もうやっつけちゃいますから。一気に手加減せずにやります、と言ってました」

しかしそれは久保陣営の考え方であり、久保選手は違ったという。最後までシバターから陽動作戦を仕掛けられ、結果的にシバターの提案通りに動き一本負けをした。つまり、榊原CEOの話しが事実ならRIZINは全てのシナリオを把握していたということになる。ところがこれが事実なら、色々と話が食い違ってしまうのだ。

久保陣営というのは試合でセコンドに付いたレスリング元オリンピック代表の宮田和幸さん(45)の「BRAVE」。このジムで久保選手は総合格闘技の指導を受けている。そして、最初にRIZINと久保選手を繋ぐ窓口になっていたのも同ジムだった。宮田さんは1月4日に「久保選手vsシバターの八百長疑惑について説明します」の動画をアップしている。