日本テレビ系情報番組「情報ライブ ミヤネ屋」の2020年9月22日放送回で「放送事故」があった、とネットで話題になっている。

イリュージョニストのHARAさん(30)が登場し、このコロナ禍だからこそ辿り着いたという新作を披露した。しかし、その結末にスタジオ内はどう反応したらいいのかわからず、1分ほどの「空白」ができた。司会の宮根誠司さん(57)の「不思議だなぁ~、なんで~?」という声が虚しく響いた。

 

「ソーシャルディスタンス・マジック」で時間を9分戻す

 

HARAさんが披露したのは「ソーシャルディスタンス・マジック」という、時空を操るマジックだ。HARAさんはコメンテーターの梅沢富美男さん(69)に3から9までの数字で好きな数字を聞き、梅沢さんは「9」を指定した。HARAさんは、

「今から9分、時間を巻き戻します」

と言い、スマホの画面をテレビカメラに向けた。時計のデジタル数字は15時31分になっていて、それが時間を遡り数秒で表示が15時22分に変わった。そして、出演者と視聴者に対し、それぞれのスマホの時間を確認するように指示、「巻き戻ってますよね!」とそれぞれのスマホの時計が15時22分になっていることを確認しマジックの成功を告げた。

 

実は、マジックをする前にHARAさんは視聴者に対し、

「スマートフォンを持ってテレビに近づいてください。あなたの手の中で奇跡を起こします」

と呼び掛けていた。実際に指示通りにやった視聴者がいたかは分からないが、スマホを両手で包むため、マジック中はスマホの表示時間は分からない。ところが、である。この番組はテレビ画面の左上に現在時刻が表示される。そのため、HARAさんが「時間よ戻れ!」と言った時に、視聴者は現在時刻「15:22」を目にしている。だから時間が戻ったのはHARAさんのスマホだけ、と分かってしまった。

 

スタジオ内は、というと、あらかじめコメンテーターたちのスマホを時計表示にし、机の上に伏せておくように指示された。マジックが始まる前にスマホで時間を確認した人はHARAさんが最初に表示した時間が嘘だと分かるし、確認していなくても、9分時間が戻ったことなど確認のしようがない。

 

梅沢さんは憮然とした表情でずっとスマホを見ていた

 

この日のコメンテーターは梅沢さんと伊藤聡子さん(53)、野村修也さん(58)だった。マジックが終わってコメンテーター席をカメラが映しても、3人は一言も発しなかった。梅沢さんは憮然とした表情でずっとスマホを見ている。野村さんは何かを言わなければいけないと思っても、出るのは薄笑いだけ。伊藤さんもどうすればいいのかわからずキョロキョロしている。それが1分くらい続いた。それを見てあわてた宮根さんは

「不思議だなぁ~、なんで~?」

と、必死な形相で取って付けたようなセリフを吐くに留まり、澤口実歩アナウンサーの、

「時間が操られていましたが、画面左に表示されている時間が正しい時間ですので、皆さん混乱しないように」

という説明も、虚しく響いた。

ネットではこれが「放送事故」だと話題になった。「放送事故」というのはコメンテーターが固まってしまい、「空白の時間ができた」ことを指しているが、仮にコメンテーターの中に若くて驚きやすいタレントがいて大騒ぎすれば、こんな悲惨な状況にならなかったのではないか、と考えている人もいる。

 

(リンク)

HARA(原大樹)公式Twitter