政府広報は大人気テレビアニメ「東京リベンジャーズ」のキャラクターを、成人年齢18歳キャンペーンのモデルに採用したと2021年1月7日に発表した。
ところがこのアニメ、原作のモデルは関東連合と言われている。いわゆる地下社会の半グレであり、14、15歳の中学生が無免許でバイクを暴走、喧嘩に明け暮れ殺人まで犯す。アニメという虚構の世界と現実は違うとしてもネットでは「政府は新成人に何をさせたいのか?」といった疑問が噴出している。
モデルは関東連合とされマイキーは反社のボスに
政府広報は法務省、消費者庁、金融庁、文部科学省と「東京リベンジャーズ」のキャラクターとのコラボを発表した。成年年齢を今年4月1日に20歳から18歳に引き下げられることを伝播することが狙いだ。キャラクターは主人公の花垣武道(タケミチ)ほか、佐野万次郎(マイキー)、場地圭介など8人いるが、殆どが「東京卍會(トーマン)」という東京最大の暴走族のメンバー。モデルは関東連合と言われ、登場する他のキャラも、過去に存在した暴走族の名前を付けたとされるものもある。政府がこうしたキャラを採用したのは、
「自分たちの力で立ち向かい未来をつくりだす、東京リベンジャーズのキャラクターたち。決して諦めない信念を持った彼らとともに、新成人のみなさんを応援していきます」
という理由からだと書いている。また、
「新成人を迎える君の決意が東京リベンジャーズの『決意の旗』になる!」
とのキャッチフレーズもある。ただし、未来を変えるためにタイムリープするのはタケミチだけ。トーマンメンバーは14、15歳の中学生が無免許でバイクを暴走、喧嘩に明け暮れ殺人まで犯す、拳銃を入手し人を打つ、というものまで放送されている。そしてマイキーはやがて、反社のボスになる。全体の話の流れが半グレを更生させ、立派な成人にするというものなら少しは分かるが、「東リベ」はそんな話ではない。
「荒れた成人式を全力でサポートします!!」?
政府の説明を素直に解釈すると、新成人が参考にすべき存在は「東リベ」のキャラクターであり、彼らのようになってほしい、とも取れる。もちろんアニメという虚構の世界を現実に置き換えるのはおかしな話だが、それでもなぜ「東リベ」のキャラクターなのか。現在テレビCMも流れていて、それを見て大笑いをした、という報告もある。ネットでは、
「そもそもこの漫画の登場人物、ヒナと弟以外、全員犯罪者やん?」
「日本政府『荒れた成人式を全力でサポートします!!』」
「政治家の裏に反社会勢力あり」
「普通に考えたら漫画の内容と、政府として伝える内容とが全然合ってない事くらい分かりそうなもんだろうに」
などといったことが掲示板に書き込まれている。政府がよく調べもせず、勘違いがあったとして、原作マンガが連載中の「週刊少年マガジン」や、アニメの製作委員会は、コラボを受けるべきではなかったと考えている人もいる。
(リンク)
政府広報オンライン