終電が終了した午後11時半過ぎ、駅のシャッターを閉めたところ、トイレに一人の男性客が残っていて、構内に取り残されてしまったという「事件」が熊本電鉄の藤崎宮前駅で起こった。
熊本電鉄は2020年10月17日に謝罪文を出したが、ネット上では「謝罪の必要があるのか？」といった声が多い、というのも、閉じ込められた男子学生は「脱出」までの様子を動画を交えTwitterで「実況中継」していて、「バイオハザードかよｗ」といった煽りや批判を受けていたからだ。
トイレ入ってたら「閉めるから出ろ」ってめっちゃガチャガチャ
学生を名乗る男性はTwitterで、
「藤崎宮前駅に完全に閉じ込められたんだけど。腹痛でトイレ入ってたら『閉めるから出ろ』ってめっちゃガチャガチャされたから『少し待ってください』って言ったらこれだよ。どうなってんのまじ」
とし、駅のシャッターが閉まっている動画をアップした。そして、
「僕がトイレ出た時鍵の施錠してたんですよ、目も合いまして。さすがにまだ出れるようにしてあるんだろうなと思って向かったらシャッター閉まってたんですね。急いでおじさんのとこ戻ったら既に居なくって。これ故意に閉じ込められたってことですよね。軟禁ですよね」
とも書いている。出られない場合は親を呼び、また警察にも相談する、とtweetした後に、
「出れた！出れた出れた！これで帰れる！！！本当にご心配おかけしました！」
と報告、
「土日祝電話受付してないから週またぐけど、苦情の電話は絶対入れる。まじで警察に突き出したいくらいだわ」
と憤った。
23:00 出発の最終列車23:30頃に正面玄関のシャッターを閉めるまでの時間は30分ほど
これが事実ならば災難に見舞われた男性は本当にお気の毒だ。
熊本電鉄は17日、
「駅内に閉じ込められたお客様に対しては、ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。直接お詫びを申し上げたいと存じますので、大変お手数ではありますが、弊社 北熊本駅(096-343-2552)までご連絡頂ければ幸いです。今後は、従業員並びに業務委託先を含めて営業終了後の見回り確認ルールを徹底し、再発防止に努めて参ります」
と謝罪文をHPに掲載した。
本当はどうだったのか？NNJニュースは2020年10月17日夕に熊本電鉄に取材した。
熊本電鉄によれば「事件」のあらましはこんな具合だ。
10 月 16 日23:00 出発の最終列車が出発する前に係員が見回りをしたところ、ホームのトイレ内に男性がいたため、営業を終了し駅を閉める趣旨を伝えた。係員はその後、駐輪場など他の施設の見回りと施錠を行い、23:30頃に正面玄関のシャッターを閉めた。営業終了の「声掛け」をしシャッターを閉めるまでの時間は30分ほど。しかしトイレ内にはその男性が残っていた。
男性が警察や消防などに助けを求めたのは確認できていない
取り残された男性がTwitterで動画を交え、閉じ込められた様子を「実況中継」したのを知ったのは翌朝。外部から「Twitterに出ている」という電話で分かった。男性が警察や消防などに助けを求めたのは確認できていない。駅構内に閉じ込められた場合外に出ることはできないのか、との質問には、
「安全を考慮しこれは駅職員が言ってはいけないことですが、、、」
としたうえで、電車が終了していることもあり、駅構内から外に出るのはそれほど難しくはない、感じの答えだった。そして、
「人が残っているかどうか徹底的に確認をしなかったのは私どもの落ち度であり、大変申し訳なく思っております」
と謝罪した。閉じ込められた男性からは連絡があったけれども、今後どう対応するかは決まっていないという。
男性がTwitterで閉じ込められてから「脱出」までの「実況中継」には、「大丈夫ですか？？」といった応援のリプライと、「バイオハザードかよｗ」といった煽りや批判が寄せられていた。朝日新聞の電子版などで今回の「事件」が報道されると、
「被害者のSNSみましたけどなんだかネタにするためにあえて残ってた印象を受けた」
「トイレに居座り、鉄道会社や警察に助けを求めるわけでもなく(そもそも容易に脱出できる)、ネットで拡散、逆に警察が出るレベルじゃないか？」
「タイトルを変えたほうがいい。『駅員に注意されたが居座って鍵を閉められた』が正しい」
「私の近くの私鉄は、駅のトイレを無くしていく傾向にあります。代わりに自治体が駅の近くに公衆トイレを作っています。こういうクレーマーがいると、駅のトイレ自体が減ってしまうのではないでしょうか」
などといった意見が掲示板に出ることになった。
(リンク)
「バイオハザード ヴィレッジ」3rd Trailr(biohazard公式YouTubeチャンネル)
https://www.youtube.com/watch?v=yMPM1FjgGVo
熊本電鉄公式HP