第94回アカデミー賞授賞式(日本時間3月28日)で、俳優のウィル・スミスさん(53)がプレゼンターのコメディアン、クリス・ロックさん(57)を壇上で平手打ちをした「事件」。脱毛に悩む妻で女優のジェイダ・ピンケット・スミスさん(50)を侮辱した事への報復、とされている。しかしこの時、ジェイダさんは笑っていた。その映像がネット上に拡散し、アメリカではジェイダさんに対する激しい批判が噴出している。  

日本では「妻を思っての愛情行為」の解釈 

今回の騒動は、舞台下の最前列に座っていたジェイダさんに対し、クリスさんがその髪型を見て「G.I.ジェーンの続編に出ますか?」とのジョークを飛ばしたこと。最初はスミスさんも笑っていたが、ジェイダさんの苦々しい顔でスミスさんの表情も変わり、壇上に上がってクリスさんを平手打ちした、というもの。スミスさんは妻は脱毛症で苦しんでいて短髪にしている。妻を侮辱したのが許せない、とした。クリスさんはジェイダさんの悩みを知らなかったという。 

日本では、暴力を振るったスミスさんは良くないが、妻が侮辱された事に夫が腹を立てた愛情行為だ、という解釈もあり以外にスミスさん擁護も多い。ただし、アメリカではスミスさん批判が圧倒的。さらに、スミスさんが平手打ちした後に、ジェイダさんが笑っている「TikTok 」動画が拡散され、スミスさん同様、ジェイダさん批判が噴出している。なぜなのか。  

「G.I.ジェーン」に例えられるのは称賛 

まず、「G.I.ジェーン」に例えるのは侮辱ではなく称賛と言える。同映画は女優のデミ・ムーアさん(59)主演で大ヒットした作品。男女雇用差別撤廃法案を成立させるため、デミさん演じるオニールが、屈強な男性でも6割は脱落するという海軍特殊部隊の訓練に参加する。彼女は自分を認めさせようと、坊主頭に変え部隊の男性と寝起きを共にし、過酷な試練に耐え、性差を越えた仲間として受け入れ入れられる。今の時代でも通用するニューヒロインだ。 

そして、スミスさん夫妻とクリスさんの地位の差。誰が見てもスミスさん夫妻のほうがセレブとして上なのは明らか。上の人間が下の人間に平手打ちする姿は弱い者いじめ。さらに、黒人は暴力的であるというイメージが嫌われて来た。そして、スミスさんは放送禁止の「Fワード」を使って怒鳴っている。妻を庇う以前に、どれもこれも許される行為ではないのだ。 

そうした中で今回、平手打ちした後のジェイダさんが笑っている「TikTok 」動画が拡散された。何者かがジェイダさんの後ろから撮影したもので、体を揺すって笑う姿がはっきりと見えている。こうしたセレブ夫婦の姿に反感が起き、ジェイダさん叩きに発展しているのだ。 

 

(リンク) 

ジェイダさんの笑う動画がアップされたTwitter 

https://twitter.com/LoboLangWorld/

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