ボクシングに転向する那須川天心選手(24)が2月7日、チャンネル登録者100万人を先頃超えた「那須川天心チャンネル」を終了し、YouTuberを卒業すると発表した。すると間もなく、同チャンネルの過去動画が全て削除された。同じアドレスには新チャンネル「TEAM TENSHIN」が立ち上がった。
どうしてこんなことになったのか。父親で「TEPPENジム」那須川弘幸会長(53)。天心選手の動画を見て、何度もキレ、辞めさせたというのが真相だ。今後は弘幸会長が主導権を握り、「お笑い」エンタメ性を無くし、練習や試合の舞台裏などの動画を配信する。
「僕の中ではすごい財産」
天心選手は最後の動画で、
「100万人行くまでちゃんとやりきれたことは、僕の中ではすごい財産。みなさん有難うございました」
と挨拶した。YouTubeを通じ、本来なら出会えないような人たちとも交流が出来た。YouTubeの活動を終えるわけではなく、「TEAM TENSHIN」では不定期だが、自分がボクシングに打ち込む姿を投稿する。「本当の那須川天心を知ってもらいたい」。また、他のYouTubeチャンネルに呼ばれた時は出演するとした。なにか不思議な感じである。「那須川天心チャンネル」を残して、別個「TEAM TENSHIN」チャンネルを立ち上げる案はなかったのか？実は弘幸会長、天心選手の動画に激怒。辞めさせたのだという。
上の立場の者が度が過ぎてはダメ
弘幸会長はYouTubeチャンネル「格闘キャスト」(1月31日配信)のインタビューで、天心選手のYouTube動画についてこう語った。
「選手として必要なのは、一番は強さを届けること。お笑いを届けることじゃない！！」
YouTubeは誰もが見ている今やテレビを超えたコンテンツ。非常に有益であり、試合の戦略もYouTubeで検索し見て掴むこともできる。宣伝・PRにもなり、自分も現在運営の勉強中だ。ところが、選手がYouTubeを始め閲覧数が上昇、エキサトしてくると、もっと数字を延ばそうとして企画を考えてしまう。それは本当のYouTuberがやる事。
「そこまでやるのはよくない。天心もそうだけど、何回か怒ってキレたこともあった。上の立場の人が、度が過ぎるのはよくない」
大人気YouTube動画が全て消滅
弘幸会長は今後のYouTubeチャンネルについて「頑張って取り組む様子」「練習風景」「励みになるもの」「キック(格闘技)を広めること」などを柱にしたいと語っていた。つまり新チャンネル「TEAM TENSHIN」のことだ。ただ、これまでの「那須川天心チャンネル」はひょうきんなものが多かったものの、決して天心選手やキックボクシングを貶めるものではなく、むしろ逆に人気をさらい、新たなファンを獲得してきた。そんな中でボクシングという新天地に挑む。ボクシング界という環境、天心選手の動画は馴染まないのか？それとも、YouTuberなどしている余裕などはない、との弘幸会長の差配だったのか？とにもかくにも、格闘技イベント「RIZIN」の榊原信行代表(59)に、
「天心はプロモーターの素質がある」
と言わしめた、天心選手の大人気YouTube動画は消滅した。
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