韓国最大の通信社「聯合ニュース」の子会社「聯合TV」が、日本で岸田文雄首相(64)と安倍晋三元首相(67)との戦いが起こっていると2021年12月15日に報じた。

親中派で中国との先鋭的な外交努力を続ける岸田首相に対し、安倍元首相は台湾問題などの発言で中国を激怒させ、来年の「日中国交正常化50周年」を成功させたい岸田首相の足かせとなっている。安倍元首相は自分の身分をわきまえていない、というのだ。

安倍元首相は自分の身分をわきまえていない

「聯合TV」によれば、中国外交を巡る岸田首相と安倍元首相の戦いなのだという。安倍元首相が12月13日にBS日テレ「深層ニュース」に出演した際のコメント、

「台湾有事で米艦に攻撃があれば、『存立危機事態』で集団的自衛権の行使となる可能性がある」

と発言したことを取り上げ、中国から「政治悪党」と強い反発を受けたと紹介。また、12月1日には、台湾のシンクタンク主催のフォーラムにオンライン出席し、中国が台湾を攻撃したら、日本と米国は黙っていない、

「台湾の非常事態は日本の非常事態であり、よって日米同盟の非常事態になる」

と発言した。そして中国外交部が平日の夜中に日本大使を呼び、抗議するという異例の事態が起きた。安倍元首相はこうして中国を刺激し続けている。岸田首相と相容れない中国政策であり、自分の身分をわきまえていない、というのだ。

林芳正議員を外務大臣に据えた意味

北京冬季オリンピックの外交ボイコットも岸田首相は「国益の観点から判断する」に留めているのに安倍元首相は、真っ向から外交ボイコットを叫んでいる。一方で岸田首相も負けてはいない。親中派として知られる元日中友好議員連盟会長の林芳正衆議院議員(60)を、安倍元首相の反対を押し切って外務大臣に据えた。また12月14日の国会では、新型コロナ対策で安倍元首相が配布した「アベノマスク」について、「反省すべき点があった」と公然と批判を展開した。来年の「日中国交正常化50周年」を成功させたい、というのが岸田首相の願いであり、中国を刺激し続ける安倍元首相の言行は、岸田首相に負担になっている、とした。

 

(リンク)

「聯合TV」(「상왕」 아베의 간섭 도 넘었다…총리 무시 중국 자극 행보 계속)

https://www.yonhapnewstv.co.kr/news/MYH20211215015900641?srt=l&d=Y