元ジャニーズJrの会見、ワイドショーで全く報じられない理由　ジャニー氏のBBC番組も揉み消されるはずだった

なぜ日本のTV、週刊誌等大手メディアはジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏=2019年に87歳で死去＝による同事務所所属少年への性加害を報じないのかーーーとネットで話題になっている。元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさん(26、当時は岡本カウアン名義)が４月12日に会見を開いたのは東京・丸の内の日本外国特派員協会。ここを選んだ理由の一つが「日本のメディアは同問題について極めて報じにくい状況」だからだ。今回の騒動、イギリス公共放送BBCのジャニー氏ドキュメンタリー「Predator:The Secret Scandal」（3月上旬放送）が発端だが、日本の大手メディア、この番組が放送される事実まで揉み消していた可能性があるのだという。

文春が負けたことだけ報じるメディア

元テレビディレクターの「さっきー」さんが自身のYouTubeチャンネル「元テレビD さっきーch」でジャニー氏について語っている。

「業界の噂レベルの共通認識としては、(ジャニー氏の性加害は)概ね事実だけど触れられない、というのは超有名な話だった」

ジャニー氏が少年に性加害を行っている、との話が出たのは50年も前。所属タレントと金銭で揉め裁判になった時だ。ここで一度おおやけになった。しかし、メディアや芸能界は目を瞑った。一番注目されたのが2000年、「週刊文春」との裁判。被害を受けたという少年たちが同誌で告発した。ジャニー氏は明確な否定ができなかった。そのため「ほぼ事実である」と認定された。ところが裁判は「文春」に1200万円の賠償命令を出す。いくら事実でも会社のイメージを下げジャニー氏のプライベートを晒す「名誉棄損」。そして大手メディアは、

「文春が負けたことだけを報じ、(ジャニー氏の性加害に)触れることは無かった。『文春がでっち上げの記事を書いて負けたんだな』という印象になった」

なぜメディアはジャニー氏の性加害の事実に触れなかったのか。

「商売絡みの忖度と自己保身があった」

と「さっきー」さんは語った。

「今後お宅からは出さないよ」

「TV業界はジャニーズにおんぶに抱っこ。揉めても面倒になるだけ。メリットないからどの番組も報じない。週刊誌は出版社の1部に過ぎない。(タレントを扱う)ファッション誌など他の媒体に影響が出てしまうから」

ではなぜ「文春」は報じることができたのか。それはジャニーズタレントのカレンダーを扱っていないから。出版不況に喘ぐ中でカレンダーは超ドル箱。「今後お宅からは出さないよ」と切られたら悲惨なことになってしまう。世の中の空気感もあった。男性が男性を、という嗜好はアブノーマル感、情報量が多すぎて視聴者、読者が付いて来れない。しかも、ジャニー氏の性加害は暴力というより「洗脳」。少年が断ればステージの立ち位置が悪くなる。ジャニー氏に無視される。

「日本のメディアはそれを知っているから蓋をして来た」

それならば、BBCが急にドキュメンタリーを放送するなど、この問題がおおやけになったのか。