「コロナでスポーツイベントが潰れ高校生が泣くと満たされる」―――ある有名漫画家がツイッターでそう呟いた。理不尽な発言だと「炎上」するかと思われたが、意外にも賛同者が多く現れた。

そういう深層心理は誰もが持っている、というもので、このコロナ禍の自粛の中「陽キャ(陽気な性格の人)ざまあww」「震災や災害でも笑ってたよ」などといった書き込みもネットに出ている。一方で、理解できるが公の場で発言するのはやめたほうがいい、という意見もある。

 

「自分の中の復讐心が満たされる感覚」

 

話題になっているのは大童澄瞳さん(27)の2021年1月16日のツイート。NHKでアニメ化され、TBS系で実写ドラマ化、そして実写映画化された作品「映像研には手を出すな!」(小学館の「月刊!スピリッツ」連載中)の作者だ。それは、

「ワシの場合小学生の頃にいじめてきた奴は野球やってる奴とかサッカーやってる奴ばっかりだったから、未だにその歪みがワシの中にあって、コロナでスポーツイベントが潰れたりして高校生が泣いてたりすると、自分の中の復讐心が満たされる感覚 自分の歪みを治すための人生だよ」

というもの。

 

これに対し、

「だからいじめられたんだろうなぁとは思った」

「いじめたやつは今の高校球児じゃないだろ」

という意見もあり「炎上」するかと思われたが、意外にも自分もそうであると賛同する声が多いのだ。

 

甲子園無くなってザマァwwwってなったやつは多い?

 

誰しもが心に「闇の部分」を持っていて、きれい事では済まされない嫉妬心や羨望があること。そしてスポーツやイベントを見る時に、栄光部分だけではなく「惨めな姿が見たい」欲求がある、というのだ。ネットの掲示板には、

「まあ甲子園無くなってザマァwwwってなったやつは多いだろう。別にいじめられたとかでなく人間は他人の不幸を知ると気分良くなっちゃうしな」

「新卒採用がコロナでブリザドみたいな話見ると正直ザマァとは思うよ」

「甲子園がなくなって時代錯誤の坊主アタマどもが泣いてるのを見るのは本当に気分がいい」

「箱根駅伝は、繰り上げスタートさせられる時の選手のやるせない悔しい表情拝むために見ている、っていう同僚がいたなぁ・・・」

などのコメントのほか、コロナ禍についても、

「コロナが蔓延している世界が楽しくてしゃーないわ。ネットでは出歩くんじゃねぇよと書き込みしつつ、どんどん出歩いてコロナを収束しないでくれやって思ってる」

「コロナ禍だけでなく震災や災害でも笑ってたよ」

というものもある。

 

「認知の歪みは理性で断ち切らなきゃいけない」と言いたい

 

大童さんはこのツイートをアップし、間もなく削除した。理由はこのツイートをスポーツに対するヘイトに利用する人がいるからで、自分としてはコロナ禍で他人の不幸に心が満たされるという「認知の歪み」を「理性で断ち切らなきゃいけない」ということを言いたいのだとした。

こうした一連の事に対し、理解はできるけれど、それは自分の心の中やノートに記して仕舞っておくもので、

「不特定多数に発表するのはどうなのか。負の感情をばら撒くこれは悪だと思う」

と考えている人もいる。

(リンク)

「映像研には手を出すな!」作者の大童澄瞳公式Twitter

https://twitter.com/dennou319