京都の中心地にある旅館のツイートがネットで話題になっている。「GoToトラベル」が一時停止となって2週間以上が過ぎた今「感染者は減りましたか?」という呼びかけだ。
年末に感染者が増えたのは「GoToトラベルのせい」ということで停止となり、宿泊業者もその「責任」を負わされた。宿泊客が1組もおらず、平日は休業せざるをえない現状の中「GoToが要因だったのか検証してほしい」という。
「1件も宿泊のご予約は入りませんでした」
京都の旅館「こうろ」は2020年12月28日からの「GoToトラベル」の一時停止で年末年始の予約の大半がキャンセルになった。今年1月4日以降は平日の殆どを休業し、土日の営業のみに切り替えた。これはお客が来ないため「営業しても無駄だから」という理由だ。そして14日に京都も緊急事態宣言が出され、週末の営業も難しくなった。15日にこんなツイートをしている。
「明日は土曜日ですが、結局1件も宿泊のご予約は入りませんでした」
「GoToトラベル」によって客足が戻り息を付いたのもつかの間、感染者が増えた原因として宿泊業もその「責任」を負わされ一時停止となった。35%の割引は魅力であり、「GoToトラベル」にデメリットがあるとすれば、「適用再開まで旅行しなくなること」だと同旅館は説明する。そして、「1件も宿泊のご予約は入りませんでした」に続いてこうツイートした。
GoTo原因なら大幅に減るはずですよね?
「覚えておられますか?12月28日からGoToトラベルが一時停止となって2週間以上が経ちました。年末年始の人の移動を抑え込んだことで、そろそろ大幅に感染者数が減るはずですよね?GoToが要因だったのなら。飲食・観光業界がその存続を賭けた(させられた)結果がどうだったのかきちんと検証して欲しい」
京都府の新型コロナPCR検査陽性者数は「GoToトラベル」が停止になった12月28日が59人、今年1月1日が103人、5日102人、10日146人、15日120人となっている。
実は、「GoToトラベル」と感染者数の増加の関連性を疑う声は各所から出ていた。福岡市の高島宗一郎市長は20年11月24日の自身のブログで、「GOTO」での市への旅行者と市内の感染者数のグラフを出した。そして、12月1日の定例記者会見で、
「コロナの感染拡大との相関関係はない」
と語っている。
事業者の努力を踏みにじった停止処置に憤り
京都の旅館「こうろ」のツイートは1月16日午後8時現在で5万1000の「いいね」が付き2万のリツイートがされている。リプ欄には、
「GOTOを利用している時に感染の不安を感じることなどなく、事業者の皆様の努力を感じていました。またその努力を踏みにじった停止処置に憤りを感じています」
「余計拡大し、緊急事態にいたりました。これで、観光は必ずしも最大の原因ではなく、要衝は他にあることになります」
「当県ではちょうど GOTO停止2週間後に 施設でクラスター発生しましたね」
などといったコメントが付いている。
(リンク)
京都の旅館「こうろ」公式HP