中国の上海市では、小学校の期末試験から英語を無くすことが決まった。また、スマホのメジャーな英語学習アプリがアプリストアから削除された。

代わりに市内小中学校の必修科目になったのが「習近平思想」で、この教育政策が中国全土に広がっていく可能性がある。

上海市の教育委員会が新指導要領を発表

上海市の教育委員会は2021年8月3日、「上海市小中学校2021年度課程・計画及び説明」を通達。小学校の期末試験から英語を排除すると書かれている。また、中国と上海の審査を通らない教材の購入は禁止になった。中国のスマホの英語学習アプリのメジャーは米デュオリンゴの「多隣国(Duolingo)」。これが8月6日に中国製スマホのアプリストアから削除された。上海のこうした取り組みは中国全土に拡大する計画になっている。米中対立の長期化による政策という見方もあるが、それだけではないようだ。

毛沢東時代と似た冬の厳しい時代が到来する

8月18日放送のネット報道番組「虎ノ門ニュース」に出演した日・中・韓の比較文化学者で、日本に帰化した金文学さん(59)は習近平国家主席(68)について、毛沢東元国家主席の後継者を自認しながら真似をしているにすぎない。毛沢東元国家主席は文化大革命を発動したが、

「習近平は文化的鎖国主義なんですよ。英語も習わないようにしていて、中国共産党の教育を強化しています。いまさら英語を勉強させないのはどういうことだ、けしからん、と文化人の間でも反発がありますが、厳しい時間が結構続くなと。毛沢東と似たような冬の厳しい時代が到来する、という話しもあります」

と語った。

 

(リンク)

「虎ノ門ニュース」(2021年8月18日放送)

https://www.youtube.com/watch?v=aDptB_cOtZY&t=162s