ウクライナ侵攻で西側諸国から制裁を受けるロシアは、宇宙開発を「人質」にトンデモな要求を付け続けている。その筆頭が ロシア国営宇宙公社・ロスコスモスのドミトリー・ロゴジン総裁(58)。制裁により国際宇宙ステーション(ISS)を往復するロシアの補給船が運用できなくなれば、ISSが「ロシア以外に」落下する恐れがあるとした。このニュースで「コロニー落とし」がトレンドワード入りした。

ロシア以外の場所に落下する

ロゴジン総裁は2022年3月12日、西側諸国の制裁によって補給船の運用ができなくなれば、ISSの軌道修正を担当するロシア区画が作動しなくなり、500トン近いISSが落下しかねない。落ちる場所は「ロシア以外の場所になる」とし、Twitterに落下予想地図をアップした。ただし、ISSはNASA、ロスコスモス、JAXA、ESA、CSAの5つの宇宙機関による多国籍共同プロジェクトであり、仮にロシアが抜けたとしても修正は効き、軌道が外れ落下することなどあり得ない。しかし、ロシアが意図的に落下させようとしたら、どうなるのか。この報道があった13日、日本では、アニメ「機動戦士ガンダム」の「コロニー落とし」がトレンドワード入りした。これはスペースコロニー(宇宙空間の人工居住地)を兵器に見立て、地球や月の目標に落下させるという作戦だ。

ソユーズから日本の国旗を消す作業員

実はロゴジン総裁、先月の25日にTwitterでISSの落下について同様のことを投稿している。アメリカのジョー・バイデン大統領(79)に向けたもので、

「そちらが協力関係を断つのなら、誰がISSの軌道離脱と、アメリカや欧州への落下を食い止めるのか? 500トンISSがインドや中国に落ちる可能性もある」

としていた。以降、ロシアは宇宙開発を「人質」に取った逆制裁を始めていて、3月3日にはイギリスの宇宙インターネット会社の衛星発射に「軍事用ではないか」と難癖を付け中止に追い込み、翌4日にはアメリカへのロケットエンジン供給を止めると発表した。ロゴジン総裁はTwitterを使った西側諸国への嫌がらせを続けていて、ISSにアメリカの飛行士だけ置き去りにするかのような動画を出したり、3日と12日にはロシアのソユーズロケットに付いている日本、米国の国旗を作業員が消す動画をアップ、

「いくつかの国の旗がなければ、私たちのロケットはより美しく見えるだろうと判断しました」

などと投稿している。

 

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(リンク)

ロスコスモスのドミトリー・ロゴジン総裁Twitter

https://twitter.com/Rogozin/status/1502532549507231746