日本テレビは2021年8月21日、米ニューヨークタイムズ電子版に掲載されたスエーデンの環境活動家・グレタ・トゥーンベリさん(18)の寄稿文を紹介、「グレタさん『日本は世界の子ども苦しめる』」のタイトルを付けた。

しかし、原文を読むと、日本の名前は出ているが10カ国のうちの一つ。しかも日本は、中国やアメリカなどと比べれば二酸化炭素排出量は少ない。それなのになぜ日テレは、グレタさんが「日本を名指しした」という内容の記事を書いたのか。批判が沸騰している。

グレタ記事の中に「日本」は1回しか出て来ない

日テレの記事はこうなっている。

「スウェーデンの環境活動家・グレタさんが日本を名指しして、大量に排出する温室効果ガスが世界の子どもたちを苦しめると訴えました」

「日本を含む10か国が温室効果ガス排出量の7割を占めているとした上で、被害を受ける子どもの多くは排出量の少ない貧しい国々の子どもたちで、不公平だと訴えました」

一方、ニューヨークタイムズが8月19日付けで配信したグレタさんの寄稿文のタイトルは、

「これは大人が私たちに残している世界です(This Is the World Being Left to Us by Adults)」

内容は、温室効果ガスによる気候変動で世界の子供たちが苦しんでいる、というものだが、そこには「日本」は1か所しか出て来ない。それが、

「中国、米国、ロシア、日本など、二酸化炭素排出量が最も多い10か国は、世界の排出量の70%近くを占めています( The 10 countries with the highest emissions, including China, the United States, Russia and Japan, collectively account for nearly 70 percent of global emissions)」

と、10カ国の1つとして名前が載っているに過ぎない。

日本のマスコミは環境問題よりも大問題

さらに、2018年の世界の温室効果ガス排出量割合は、中国が28.4%、アメリカが14.7%、インドが6.9%、ロシアが4.7%、日本は3.2%(JCCCA「全国地球温暖化防止活動推進センター」HPより)。確かに世界で5番目に排出量が多いが、3.2%をグレタさんが名指しをし「日本は世界の子ども苦しめる」と書いた、というのは無理があり過ぎる。ネットではこの日テレの記事に批判が沸騰していて、

「全然名指しなんてしていない。大手マスメディアはいつまでこのような不誠実な、歪んだ情報操作を続けるつもりなのか」

「このタイトルは無いわ〜別にグレタ氏なんかを擁護する気は無いが、完全に印象操作だな」

「英語の原文では筆頭に中国を挙げているのに、記事では日本だけの様な書き方なのが、悪意を持った世論誘導に感じます」

「日本のマスコミはホントまともじゃなくなってるよね・・・環境問題より大問題だよ」

などといった書き込みが掲示板に出ている。